コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

詰パラ2019・11月号②

詰パラ2019・11月号(結果稿)大学院②三輪勝昭作。
この作品の評価点の2.80に驚いてしまったのである。
えー、ちょうど!と(笑)。
これはお笑いコンビ磁石のネタである。

☆実は僕の予想は2.8だった。
なのでピタリと当たったんだけど、この作品が自分の作品だとして2.8行くと予想する作家は僕だけだと思う。
ただ捌いているだけの作品だから高得点はならないと予測する作品のはずである。
僕は捌きの手順には自信がある。
独特なのか基本的なのかは自分では分からないが、どうすれば美しく感じられるかは考えて創っている。
そしてそれは評価点に反映されると思うし、実際に大学院に採用された作品はほとんどこのタイプの作品で、投稿時には大学院には弱いと思って投稿したのが2.8以上の評価をされていた。
その事実があるからこの作品も2.8以上出ると予想していたのである。
そんな事なので僕はどうすれば美しく感じられるか考えて創っている自負があり、それは解答者にも評価されていると感じてはいた。
常にそう思っていたとこれに占魚亭さんの「やはり三輪作品は捌き物が一番。」との短評があり嬉しくなった。
昔、三輪さんは構想物より手筋物が良いと言う意味の短評をもらった事があり嬉しかったが、自分の本当に大事にしているところを褒めてもらえると本当に嬉しいものなのである。

★ところでこの作品は煙詰の分類であるが、全駒でもなければ歩無しでもない。
少なく共、歩無しには出来そうな感じになると思う。
実際に64歩は88銀を省けば不要になので、序12手の逆算でしか歩を使っていない。
創作では収束11手は若島作から作ったものではあるが、若島作がなくても考え得る手順である。
そこから67金打ちから29手詰を素材とした。
これから逆算の可能性は色々考えたが、全駒にするのは無理と言う結論になった。
そこで歩無しを目指す事にしたが、目指さなくても歩が置けてけない。
逆算の階段としては解説の途中図が第一段階。
29手目45飛からが第二段階。(この逆算はお気に入り)
問題は45とからの精算手順である。
これ以外に以前(逆算としては以前で解答者からは以降)の他の逆算は手順としては良くても駒が置けない。歩無しすら不可能であった。
25龍、45龍の形から45の精算以外は歩無しする事すら不可能と結論した。
45とからの精算が不本意なのだが他に方法はない。
そこから歩無しには後一歩。
その後一歩は簡単に出来てしまう。
しかし、呆気ない。使える駒が中途半端なのがいけないのである。
そこで歩4枚加えて、手順を丁度良くしたのが発表図である。

☆ところで歩無しに限らずサブセット煙にどれだけの価値があるだろうか。
僕はそんなもの価値はないとの考えである。
使用駒が統一されているのは美しいと思うので付加価値はあるのでする意味はあるが、条件作としての価値はないとの考えである。
そもそも僕は条件作に価値はないとの考えである。
こう書くと歩無し煙に価値はないは、全駒でなければ価値がないとの考え方と思われるかも知れないが、実は真逆。
煙詰は全駒である事の価値はないとの考え方である。
僕は1枚でも多くの駒を捌くのに価値があるので、その意味では全駒が一番価値があるが、条件としての価値はないと考えているのである。
なので煙詰は詰上がり最少駒の事をそう呼ぶとして、使用駒は38枚だろうがどうでも良いと思っている。
そもそも詰上がり最少駒でなくても良いさえ思っているのである。
勿論、煙詰と呼べるのは詰上がり最少駒を条件にするものだが、詰上がり1枚多くても煙詰的として手順が良いなら煙詰と比べて作品価値は落ちないとの考えなのである。

★歩無し煙は使用駒統一の美しさはあるとして、もう歩4枚足したらどうか。
他の駒は4枚ずつあるので、統一感の美しさとしては歩無しよりあると思う。
それともう一つ。
1枚でも多く駒を置きたいとしても中々難しい。
手順として歩4枚が最善と断言は出来ないのだが、丁度良く収まっているのが歩4枚だったのである。
一応、21手詰素材からの逆算は僕としては最善を尽くした発表図なのである。