コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

詰パラ2019・11月号①

詰パラ2019・11月号結果稿の幼稚園1野村 量作は素材として完成されている発見系作品である。
素材として完成されている手順は誰もが一度は考えそうな形と、発見され難い形がある。
この野村作は意外に後者だと思い感心した図である。

持駒 角角
玉方 13玉、14歩、43飛。
詰方 21銀、23桂、25香以上7手詰。

☆この素材な僕なら21角迄でなく13角成、同玉、23〇成迄にする。
僕だけでなく大多数の詰将棋作家そう考えそうなものである。
どうすれば出来るかだが、43飛では最終手の23〇成が取られて詰まないので省く。持駒 角は34銀。
で問題となる余詰は13角成で23銀成の筋。これは45角で防ぐしかない。
それから11桂成、同玉、33角の筋のため33の補強が絶対。これ32歩や41桂では狭くなり余詰。
42金か44銀になる。
どちらにしても45角との2枚は余詰防止の効率は悪いのが難である。
野村作の43飛は余詰防止駒でしかないが効率的なので美しい。
僕は手順の締まりが第一主義なので、発表図はあり得ない。
逆に野村さんは45角、42金は耐えられないタイプであり得ないだろう。

★で、これで終わるならこの記事は書く気になってないのである。
いりす氏がTwitterで次の図にアレンジしていた。

持駒 銀
玉方 12玉、43飛。
詰方 23桂、24香、25馬、53馬以上15手詰。

☆まず初手21銀が入ったのが良い。
それから余詰防止だけの駒もなければ、14玉阻止だけの駒もない。
作意手順に必要な駒だけの配置で完成されているのが素晴らしい。

★さて、これで一つの素材から3つの完成図がある事が分かった。
どの図を完成図にするかは作家の作風になる。
僕はいりす氏の図があると分かったとしても、手順の締まり第一なので13角成の図になる。
作家アンケートを取ったなら、いりす図>野村図>三輪図になると僕は思うのだがどうだろうか。