コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

22合問題解答追加

☆前記事の22合問題の解説で基本型とも言える形に気が付いてなかったので追加解説したい。

《22桂合編》
詰方 25馬、41角。
なんと27枚で桂合だけ不詰に出来る。
但し、11玉が不詰なので25馬は35馬にしなければならず、それだと13馬の筋を防ぐ駒が必要になり結局は3枚必要にはなるが、こんな基本型とも言える形をうっかりしているようではチョー一流作家とは言えないのである。

もう1つ22龍と切り詰方41馬で24龍の形もある。
13龍の手を防ぐ必要があるので、3枚使用である。
具体的には24飛・41角にして33玉と23歩合を詰むように1枚何か置く(53銀とか)。
これは最初に浮かんだ形であるが、良案とは思えないので解説を書く時に忘れていただけである。


《22香合編》
玉方 13香型で玉方 21歩。詰方 24龍。
13歩だと成立しないが、むしろ13歩型の方法より優秀である。

詰将棋で香合に限定させる方法で良く使われ方法がある。
それは渡しても香が一番使われ難いパターンである。
香より歩の方が使えないが、歩合は二歩で出来なくするのである。
二歩で歩合を出来なくすれば、香だけ使えなくするのは難しくない。香の限定合は有効このパターンで出て来る事が非常に多いのである。
こんな簡単な事に気が付かないようではチョー一流作家とは言えないのである。
そんなこんなで今日からブログ名を変更する事にしたのである(笑)。

創作技術検定問題22合駒解答

★創作技術検定問題として出題した22合駒の解答である。
問題としては玉方13歩、12玉で32龍に対して桂合だけ不詰になる局面を使用駒3枚加えて作れと言うものである。
桂合を香合の場合も合わせて出題した。
13歩が香なら2枚で可能で、それは若島氏が考えた問題であるが、それは他合が全て2枚で出来るため香になっていたのであるが、その解答は綺麗ではないので、歩で3枚で綺麗な方法を求めよと言う問題にしたのである。

☆問題の主旨はそうであるが、僕の創作技術検定問題は実際に使える技術を前提に問題にしている。
実際に使えるかどうかは主旨を理解する事が重要で初心者向きの講座ではなく中級から上級者向きの解説になる事をご理解願いたい。
まずその前に模範解答者全員に景品進呈と書いたが、読者は模範解答者全員の意味を間違えていると思われるので一言。
模範解答者とは模範の解答をしたと言う意味ではなく、解答をする人が模範だと言う意味なのである。
つまり解答をした人は模範読者であり、解答をしない人は模範読者ではないのである(笑)。
解答者は2名で景品を郵送する予定であるが、気が向いた時になるのでいつになるかは分からないのである。
尚、解答欄魔氏よりコメントがあったが、あれは何なのか。多分、僕がTwitterを読むない事の当てつけであろう。
当然解答には見なされないが、このブログは嫌味コメントも歓迎なので、どんなコメントでも嬉しいのである(本心)。

★解答はコメント公開にした。解説では誰の解答かは記さないが興味のある人はコメントを見て欲しい。

☆この検定問題が実戦で役に立つ(実際の創作に使える技術)と書いたが、この検定問題は詰将棋作家が最も必要な技術だと言うのがある。
ある局面を詰まなくしたり詰むようにする技術は詰将棋作家にはなくてはならない技術であり、これの巧拙で作品が良くも悪くもなるのである。
22桂合が詰まないなら作品になり得ないのではあるが、そこは応用力になる。
例えば22桂合が詰まないが、詰まなくなっている理由を解消する妙手が入ればそれで作品になる。
これは例なので作品化する方法はいくらでもあるが、それは応用力で応用が出来るには基本技術が必要なのである。

★この検定問題は中級編であるが、上級編も実は含まれているのである。
それは状況把握能力問題にもなっているのである。
何故問題自体がその条件になっているかそれを考える事が出来たら上級者と言えるのである。

☆条件=問題であるが、何故その条件になっているかを考えてその理由を満たす別の条件を考える事が出来れば上級者なのである。
例えば13歩が問題の条件だがこれは別の駒にしてみる。条件の意味を変えなければ条件を無視する事が出来る人は詰将棋作家に向いているのである。
これは実際の創作でここはこうなっていなければいけないと言う固定観念がある時、この条件ぶっ壊し癖を付けておくと、待てよここはこう変えたらと発想し易くなる。それには状況把握能力が重要なのである。
この問題なら13歩は香にしたらとなるが、香は既に出題された問題なのでなし。でも桂にして良い方法を考えるのはありなのである。

★それとは逆のパターンもある。
問題条件はクリアしているが、実際には無意味な図もある。これは狙ってわざと条件に加えなかったのである。

☆さてこれからが解答発表であるが、これは僕の用意した解答とコメントの解答で構成している。
例なので他にも方法はいくらでも考えられると思われる。

《22桂合編》
①玉方 33銀。詰方 14角。持駒 桂。
これは取られた時に前に利かないので詰まない。
前に利かない駒は他に角があるので、角を売り切れにしない図で僕の用意した解答である。
これは理由の明快さが優れている。

②玉方 33銀。詰方 25香、43金。
これは桂合不詰の理屈は①に同じだが角を売り切れにしない方法は別である。
ただこれ初手32龍が成立しない。
これは問題条件には入るが、22桂合不詰以前に32龍が成立しなくては意味がない。なのでマイナス100点になる。
……と言うのは嘘。まず初手が成立しないのはそれは後で考える事で桂合不詰を考える前には考えなくて良いからである。初手成立しないと中々分からないからである。
それとこの図は32龍は成立しないように見えるが、本当は32龍は成立する。玉方 32桂を置いて52龍で初手は32龍になる。
それだと持駒桂で使用駒が4枚になるので条件違反?
前述したが意味を満たしているなら条件を無視するのがこの検定問題では優秀なのである。
つまりこの解答は有効である。

③玉方 21桂。詰方 34香、43馬。
これ②と同じ理由で初手32龍は成立しないのでは?
100%成立しないなら不可解答なのだが、他に何を置いても成立しないかとなると、簡単に出来ないからこそ面白い作品になる可能性はある。
十分有効解答である。

④玉方 21角、34金。詰方 43馬。
点数はズバリマイナス100点である。
理由は32同角で詰まないからである。
問題条件には合っている。
しかし、状況把握能力でマイナスになってしまうのである。
いくら22桂合は詰まず他合を詰むようにしても、32龍を取られて詰まないならそれは全く意味のない事になるからである。

⑤詰方 23桂、35龍、46桂。
これ22桂合を詰まなくする理屈の良さなら最優秀解答であろう。
実際の創作では最優秀案を見逃さない事が最も大事たが、沢山の案を考える事も重要である。
さらなる展開を考えた時に次案が生きる事もあれば、作品の質から簡明なのが良い時もある。
他にないかと考えるのも詰将棋作家の必要創作技術なのである。


《22香合編》
①玉方 21桂。詰方 43角。持駒 歩。
これは僕の用意した解答である。
当然の事ながら、解答コメントを見て用意した解答と言っているのではないのである(笑)。
僕は気が付かなかったが、同じ理屈で持駒 歩の代わりに詰方 15香、43馬もあるようだ。
実際に使うなら持駒 歩の方が優秀だが実戦は生き物なので15香しか成立しない場合もあり良い案である。

②玉方 13歩を省き詰方 14歩、25歩、42馬。
玉方13歩を省く事が重要。この検定問題は条件を破るほど優秀な解答になるのである。
条件を無視するには状況把握能力がないと出来ない事なのであるから、条件を破るのは良い事なのである。
要は実戦で玉方13歩は詰方14歩で意味同じと気付くかどうか、実際には成立しなくてもそれが気付く気付かないは作家として大きな違いなのである。


《まとめ》
詰み不詰を自由にするように出来る事が出来て詰将棋作家で、これの巧拙が作品レベルの差になるので、これから一流作家を目指す人に参考になれば幸いと思い書いた記事なのである。

コンピューター将棋

★今年のコンピューター将棋選手権はGoogleが参戦して来て簡単に勝っちゃたのかな?
アルファゼロはどんなゲームでもルールを覚えさせるだけでコンピューターが自己対戦だけで勝手に強くなるみたいで、将棋もルールを覚えさせただけって事なのか?
するとGoogle詰将棋自動創作をする気になれば、簡単に出来ちゃうって事なのかな?
僕はコンピューターによる詰将棋自動創作は賛成なんだけど、Googleがやるのは大反対である。
まあ、100%あり得ないから心配しなくても良いけど。
100%あり得ないのはちゃんとした理由がある。
詰将棋はルールがハッキリしてないところがあるからである。だから絶対に大丈夫と断言出来るのである。

詰将棋は別にして、将棋でもGoogleが最強なのは分かったが、僕はGoogleの将棋ソフトは意味のない最強だと思うな。
Googleのプログラムが最も優秀だとしても、Googleのコンピューターのハードがあってこそで、一般のパソコンでそのプログラムで強くはなれないだろう。
そんなもん意味がない。

☆ところで今年のコンピューター選手権の決勝リーグにはポナンザもエルモもいない。
ポナンザは引退したの?
エルモはハグ連発で予選落ちみたいだけど釈然としないな。
Google=HefeweizenのようでYouTubeで見れる棋譜は見てみた。
Hefeweizenで分からないのは、アルファゼロは人間の棋譜は全く参考にせず自主学習のみとある。
Hefeweizenは矢倉はやるは(これはなり行きみたいだが)対三間飛車では居飛車穴熊をしていた。
今は人間もコンピューターも角換わりが多いみたいで、コンピューター対戦もその傾向があるのかな。
他に横歩取りとか相掛りとかもあるけど、Hefeweizenの序盤は人間の棋譜みたいなんだけど。
これって人間の今の序盤研究はコンピューターと同じくらい進んでいるって事になるんではと思うものがある。
それともHefeweizenは序盤は悪くならなければ良い程度で軽視しているのかな。
少なく共、僕の棋譜並べではHefeweizenが序盤型とは思えないのだが。
終盤もそんなに強くない気がするし、僕にはHefeweizenは全然強く感じないのだが。

★Hefeweizenは中盤がメチャ強いような気がする。
全盛期の大山名人みたいで、自陣に駒を打つのが好きだし受け棋風みたい。
形勢互角ならまず負けないから強いとしても、エルモなんか有利な時の決め手は尊敬出来るものがあるけど、Hefeweizenはどうなのかと思っているのだけど。
どっちにしても市販化されないソフトなんかの指し方は勉強出来ない。
でも来年はエルモ対Hefeweizen戦をみたいけど、Googleは勝負はついたと思えば出ないって事がある?

満点評価

詰パラ2018・6月号の結果稿は大学院の山路大輔作は何点出るか興味があった。
結果満点だったが、解答者が少ないと2・3人厳しい評価をされるとショボい点数になるので、少し心配であったが満点だったのは凄いと言うよりホッとした。
満点で当然の凄い作品と思っていたのである。
僕はこの作品は看寿賞の有力候補ではないと思う。看寿賞を受賞しなければおかしい作品だと思うのである。

☆僕は煙詰崇拝者であるが、この作品は煙詰の最高傑作かと言うとそうは感じないのである。
僕の好きな煙詰ベスト10には候補にすら入らないだろう。
僕の理想とする煙詰は、流れるような捌きの美しい作品である。
美しい部分もあるが、煙詰らしからぬところがある。
これは僕の理想とは違うと言うだけで、詰将棋としては凄いしよく創った、どうやって創ったのか不思議な作品である。

詰将棋作家が一度は創ってみたいもの

★昨日、柳原さんがTwitterで、名局ライブラリーの武島作の改良図のことだと思うが、この初手は一生に一度のレベルとかツイートしていた。
因みに僕のスマホTwitterがほとんど機能しなくなっているが、まれに通知機能から見れたりする。
しかし、画面を変えると二度とそのツイートは読めない。
つまり、過去のツイートは一切見れなくなっている。
なのでツイートに何と書いてあったは覚えでしかないのである。

詰将棋作家なら玉を押さえている拠点の駒を初手に捨てる作品を創ってみたいと思った事はあると思う。
短編作家なら一つは創ってみたいテーマである。
これ意外に創れない。素材が命みたいなとこがあるからである。
気の利いた作品になる素材は一生に一度くらいしかないだろう。
柳原さんのツイートを見てなるほどと思った。
確かに6月号名局ライブラリーの武島作改良図のような素材は一生に一度しか巡り会わないかも知れない。
だけど僕は持駒に出来るのにここに銀を置くことはあり得ない。
この位置では67銀と使いたくなる形だからである。
拠点を捨てる感覚にはなれないのである。

★前記事とこの記事は置駒にするメリットは実はない書きたかっただけなのだが、武島氏のコメントを読むと改良図とかにすると解答者の評価は下がる事は百も承知に思える。
武島氏は解答者の評価より作意や詰上りに必要のない駒を省く事が大事なのである。
僕は内容が良くなるなら飾り駒でも置く事を認めているので、使用駒の数を1枚減らす事に価値はない思っているが、ほとんど詰将棋作家は使用駒数は少ない方が価値があると考えると思う。
僕のようなタイプは少ないだろう。
で、この改良図は僕には改良とは全く思えないが、武島広秋作の完成図はこれになると言う事なんだろう。

☆解答者の評価は発表図が上だと思う。
今回、改良図を完成図とするなら発表図はどうなるか。
それは発表図は武島氏はこの図にはしないと言う事なんで、発表図は僕の作品だと言う事にするのが良いのである(笑)。

これは改良なのか?

詰パラ2018・6月号の名局ライブラリーは武島宏明作の高校半期賞作だが、この作品の改良図が作者から届いたとあるが、僕には改良には全く思えないのだが。

☆65香があるので冴えた初手になっているので、65香を省くと解答者の評価は下がるだろう。
でも武島氏は作意にも詰上りにも必要ないので省きたい。これは分かる。
これでこそ武島氏である。

★分からないのは「以前から初手は駒打ちではなく置駒移動にしたいと思っていた」である。
えーこの詰上りだと盤上にない駒が出現した方が良いじゃん。
詰将棋作家は人それぞれ感覚も違えば考え方も違うものである。
真逆の考え方でも理解する事は出来る。
この銀は動くとは言え最初から盤面にあっては僕は興醒めである。
65香を省くと玉の左に何にもない形が嫌ではあるが、そう思うなら僕なら初手を省く。
それくらい僕には初手置駒移動にはしたくないのである。
これは他の作家の考えも知りたいものである。

☆それからもう一つ改良とは思えない事に一段下げている事がある。
この詰上りは中央に近いほど良い。
この詰上りは一段下げたら作品の価値も一段下がると思う。

★最後にもう一つ。
配置が美しくない。
23銀・24角・25龍が3枚くっついている。
48歩・58とは同じなのに図が下がったため嫌な感じ。
19桂も嫌な位置。
僕の美的感覚は駒の位置関係が全てなんで、その感覚ではこの改良図と言っている図は美しくないと思うのである。

☆一つハッキリ言える事は武島氏が改良図とかの方を発表図の発表前に気が付かなくて良かったと言う事である。
発表図を感動した人が、改良図とかが発表では感動しない人が何人かいるはずである。
今なら、解答者は好きな方の図で鑑賞すれば良いのである。

翻弄物創作技術検定

★翻弄物創作技術検定問題を思いついたのである。

問題=詰パラ2018・6月号(結果稿)小学校12田中孝海作の53龍を後2回動かせ(勿論収束を伸ばすのではなく逆算で)。
玉位置は変更可(て言うか変更しないと無理?)。
龍移動は玉が1回動いてからでも可(て言うか動いてからでないと無理?)。

☆良い作品にする必要はないので、成立させる図が出来たらコメントを。
創作難易度は翻弄作家ならイージーかな。
普通なら中級レベルかと思う。