コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

詰パラ2016・11月号(結果稿)短大10鈴川作ベスト収束図

詰パラ2016・11月号(結果稿)鈴川優希作の原案は次の図らしい。

持駒 飛香
玉方 13歩、23玉、33桂、41飛、44歩
詰方 14桂、61角以上。
〈作意〉29香、27桂合、同香、14玉、27桂、23玉、22飛、同玉、34桂、32玉、22香成迄11手詰。

オオサキさんのブログ「書きかけのブログ」に74角を42飛を41角成、同飛。そして22銀を21桂を33銀成、同桂とする4手逆算図が載っている。
オオサキさんは、その図を見せてもらった時、鈴川君がこの作品で看寿賞を取ると思ったそうだ。
でも僕は看寿賞候補とは思えない図である。
そのブログ記事のオチはこの作品の29香、27桂合~26桂の手順の先行作があったと言うものである。
この主要部に先行作があるのなら、11手詰図であろうが、17手詰図であろうが看寿賞に選考される事はない。話のオチはオオサキさんと同意見。

先行作あるなしで、僕は出来の悪い先行作のために優秀な作品が看寿賞の選考から除外される事は良くないと思っている。
これには賛否両論あるだろうが、そうだとして17手詰はどうか。
僕は看寿賞候補ですらないな。(作品としては勿論好作である)
まず、序4手は主要部との関連性がない。
収束がダレる。
そして決定的なのが次の点。
主要部は61角が成立させている立役者。と言うか61角のみで成立している。
その功労者が詰上がりでは脇役にされている。
仮の話、あくまでも仮の話であるが、この17手詰図が僕が創ったとしたら、この図で発表する事はない。三輪勝昭作としてこの図は耐えられない。
この図で看寿賞をもらえるとしても、この図で発表はしない。
この素材は61角を捨てるのが必須なのである。

☆短大10の作品に関しては鈴川君がブログに書いているので、是非読んで欲しい。
61角は捨ててこその素材と考えているのは僕と同じである。
短大10はその61角を初手で打ち、最後に捨てる構成にしたのは素晴らしいと僕は評価している。
半期賞もあるかと思っている。
たが、看寿賞はオオサキさんと同じ看寿賞作ではないと思っている。
素材的には45金は主要部の成立必要ないからである。

★と、ここまで考えたら、この素材短大発表図の収束はベストではないんじゃないのと言う気がして来た。
そこで考えた図が次。

持駒 飛香
玉方 11香、13桂、21桂、23玉、32歩、42銀、44銀
詰方 14桂、31と、61角以上21手詰。

理想は11桂を置いて12馬、同玉、22飛迄なんだが無理くさい。
この収束につなぐ手順は他にもあるかも知れないが、収束はこれがベストだと思われる。
この記事の主旨は、鈴川君には発表図の45金は美しくないよと言いたいのである。

2016年下半期賞予想 短大・大学・大学院

【2016年下半期賞+名無し名人賞予想 短大・大学・大学院】

★短大=10 鈴川優希作。
この担当者は平均点は半期賞予想の参考にならないが2.8以上を探した。
……あれ、ないな。
じゃ最高得点作はと……
3 三輪 勝昭作である。流石である(笑)。
ん? 得点は2.796でこれ普通なら四捨五入されて2.80になるはずである。
この2.8は例え四捨五入でも、2.79とではイメージが段違いなのだ。
これは5 山路大輔作が2.794なのでこうなったのである。
山路氏は余計な事をする人なのである(笑)。
なんやかんやで10 三輪作は2.8なのである。
でもこの作品何でこんな高い点が出たのだろう。
僕は作品を創っていて、易しくて気持ち良ければ満足なのでそれが評価されたのだと思っている。
この作品はどう考えても半期賞と言う感じではない。
高い点が出るけど半期賞は獲れないのは、結構嬉しいのである。

10 鈴川作であるが、遠打を成立させている61角を初手で打ち最後に捨てる工夫は良し。
……何だけど、この作品については次の記事に書く予定なので、お楽しみに。

名無し名人賞=4 鈴川優希作。


☆大学=4 小林 尚樹作。
12 山路 大輔作。
今月号(3月号)の担当者の選題の言葉であるが、受賞級の作品を採用し過ぎた事を反省しているようであるが、僕は良い作品はドンドン採用して行くべきと思っているので良かろう。
で、こう書いておいて1作受賞なら僕は鬼だと思う。冷血漢である。
久保氏の性格はその逆かと思っている。
ズバリ3作受賞があると思っている。
一応、予想は2作にしたが。

4 小林作は2.71しかないが原形戻しの面白さを生かした看寿賞級の傑作だと僕は評価している。
ちょっと変化が難し過ぎるのが難点なだけである。

12 山路作は持駒消費の手順に無理がないのが素晴らしい。

名無し名人賞=8 かめぞうさん作。
名無し名人賞の予想をしていて、自分の好きな作品を上げているだけな気がして来た。
5枚の桂を合駒させて、その桂を全部捨てる。
捌きが主眼の作品は僕が一番好きな詰将棋なのである。


★大学院=8 馬屋原 剛作。
10 久保 紀貴作。
2作受賞予想である。
1作にしろと言われたら、これどっちを選ぶのと言いたい。選びようがないのでは。
そう言う時は良い方法がある。
どっちも選らばないのである。
そして、平均点2.90の三輪 勝昭作を選ぶのである(笑)。
勿論、これはボケなのだが、どっちも選べないと書いたが、実は僕は久保作の方を評価している。
僕は「原形戻し」手法について幾度も書いて来たが、これは局面対比である。
何手目と何手目は1点違うところがありますよと対比する事。
久保作はこことここを対比して見てくれと言うのが明確に分かる。
「原形戻し」手法は対比局面が明確に分かる事が重要である。
その点、久保作は素晴らしい。
もっともそれが狙いだから当たり前なのではあるが。

名無し名人賞=9 桃燈作。
これ結構好き。
しまった。名無し名人賞予想でないのがバレてしまった(笑)。


追記=高校の名無し名人賞予想に21 志賀友哉作を追加する。
この作品があるのを忘れていた。
変更したいがメンドクサイので追加とする。

2016年下半期賞予想 小・中・高

【2016年下半期賞+名無し名人賞予想】

☆小学校=9 鈴川優希作。25 武島広秋作。
一応2作が2.8を越えた。
2作受賞と予想したが、どちらかとなれば鈴川作かなと思う。

名無し名人賞=なし。


★中学校=25 武島広秋作。
唯一2.8越え。中学校担当者は最高得点授賞主義だが、僕は中学校は基本的にそれに賛成である。
この作品は武島氏にしては地味な感じだけど、僕は味があり好きな作品である。

名無し名人賞=2 鈴川優希作。


☆高校=15 武島広秋作。
18 海老原 辰夫作。
一応2作受賞の予想にしたが、25 武島作は素材的に先行作があるので選考されるか疑問である。
言っておくが、これは先行と選考はシャレではないのである(笑)。
15武島作は短編の中でも名作の名作。
出来の悪い先行があるために、優れた作品が賞から除外されてはいけないと僕は思う。
知っていて改作として発表したのなら除外も結構だが、この作品は先行作は無視して看寿賞の選考の対象にならなくてはいけないと思う。
その先行作の作者が看寿賞の選考委員にいる。
選考会議では、この先行作の作者にはそう発言してもらいたいものである。

名無し名人賞=14 勝浦 修作。
この初入選作、新人の作品としては出来過ぎである(笑)。

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録最終回

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録最終回】

★43三輪 勝昭作。
僕の予想は5~6位。まあ、予想通りであった。
この作品でしたかった事は42桂を26に2段跳ねさせる原形戻しであった。
しかし、発表図は原形戻しになってない。
龍が消えている。
流石にこの龍はいない方が良いとは考えられないんで、原形戻しよりより良いかも知れないが、僕はやはり原形戻しにしたく、3手目は34銀を打つ手順にしたかった。
しなかった理由は出来なかったからである。
2手目26玉は早詰にして、3手目26歩を詰まなくするのが難しい。それに3手目36銀の余詰筋を詰まなくするのも難しい。
持駒 銀でなく、置駒 龍ならそれが可能で、この方が34龍、同桂、26歩の組み手順は割と味は良い。
原形戻しにこだわるほど高尚な狙いでないので、この手順でもと言うか、むしろこの方が良いかなと思う。

☆実を言うとこの作品を創っている時は焦っていた。
短編コンクールに投稿する配置駒10以内の9手詰はなかったからである。
この作品が完成した時は、思ったより良いものが出来たと喜んだのである。
しかし、在庫をよく見たら配置駒10以内の作品は
あったのである(笑)。
なんたるボーンヘッド
まあ、その作品ではシード権外だったと思うので良かったのであるが。

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録⑦

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録⑦】

☆野曽原直之作。
名無し名人氏も僕も優勝予想の作品で、結果稿が出た今でも最優秀作と思っている作である。
収束の68桂、同龍、57金の5手はミエミエである。
でも57金は打つものと思っているので、2枚ある金をいきなり手放すのが見え難く、67金、同龍、68桂、同龍を読んでしまう。
それだと7手しかならないので、違うのは明白なのに。
優勝はならなかったが、順位予想投票があったら、1位だったと思う。
この作者はスマホ詰パラペンネームで発表されているが、裏短コンの作品も優秀で最近成長が著しいと感じている。
これは一見褒めているようだが、以前はヘボかったと言う貶しなのである(笑)。

★38賓田 博作。
僕の予想記事を見て、名無し名人さんが低評価なのにシード権予想の作品があるとコメントがあった。
それがこの作品。
僕はその通りだと考えを改めたが、一度予想したものなのでそのままにするしかない。
名無し名人さんはまだ予想記事は出していなかったので、予想順位は下げたようである。
なので結局は外しているのである。
僕の予想で「自信をなくして下げたのである(笑)」とあったが、これは自己責任なので、外れたのは僕の責任ではないのである(笑)。

この作品が僕の予想順位が低いのは発表図にあらずと思っているからである。
この素材は12角を捨てて収束させるべく素材。
こんな図にするのはもったいないと言う事だ。
と思っていたらEOGさんのブログを見たら小林敏樹作でそのような作品があるようだ。
賓田作のような仕上げは、それはそれでありなんだろうが、自分なら絶対にしない仕上げだと、どうしても厳しい評価をしてしまう。

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録⑥

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録⑥】

☆31中筋俊裕作。
僕も名無し名人さんもシード権内予想で、結果もシード権獲得であった。
1手1手見たら単なる手筋物。普通は全く得点が伸びないタイプの手順である。
何が評価されたか。「原形戻し」である。
一旦56玉とさせ57馬にさせたら46に戻す。
目的の57馬にする事以外は同じ局面で原形に戻している。
この作品が優秀なのは66飛は初手でも出来る。
又、初手57金、同馬とも出来そうな局面である。
いずれも取ってくれないための無駄に見える手間が面白いのである。
この「原形戻し」手法は呼び名はどうでも良いので、創作で是非皆に使って欲しい手法である。

★34中村宜幹作。
僕も名無し名人さんも評価してなくてシード権は意外。
銀中合は単純だし、7手は既成だし。
一応、角角では詰まず角銀にする変換するのは原形変換じゃないのでそれほど評価してなかった。

双玉は僕は推進派で、その推進も意味がなくても双玉にするのを推奨するしている。
このような簡潔な仕組みで、銀中合なのは好感が持てる。
シード権は今でも意外だが、好感の持てる作品であろう。

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録⑤

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録⑤】

☆21須田将一作。
僕の予想記事に名無し名人さんからコメントがあった。
僕が5位以内の予想の作品にシード権外予想なのがあると。
それがこの作品で、名無し名人さんのブログの順位予想は18位である。
で、結果は13位。
ちゃんとシード権に入っているじゃんかよ~(笑)。

★名無し名人さんは直ぐ51龍が見えたそうである。
短評にある岸本裕真氏もそうなのかな。
たまにある筋なので、直ぐに見えたら効果ない。
この筋は解く時によって、直ぐ見えたり見えなかったりする筋だと思うがどうだろう。

短評では初手が発見に苦労する手になってるが、僕は第一感だと思うけどな~。
形から意味も分からず打ってしまう手のはずなんだが。
51龍が見えなければ、64角は意味も分からず打っているので結局初手に戻るので、初手が難手になっていると言う事なのかな。
まあ、この手の作品としては成功作の部類に入ると思うのである。