コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

ねこまど教室

★今日のおもちゃ箱さんのサイト案内は風みどりさんのブログであった。
若島氏のねこまど教室とかの創作講座に参加した事が書かれているようである。
そこで練習問題として出された問題が詰将棋作家には非常に面白いと思ったので、勝手に取り上げてみたい。

☆問題を要約するとこう。
図=玉方 12玉、13香。
詰方 32龍。
これに2枚加えて詰まない順は合駒1種類だけにせよ。(11玉は詰む事)
2枚は持駒を含む(盤面2、盤面1持駒1、持駒2のいずれか)先手玉は不可。
合駒は7種あるので7つを20分以内にだとか。
僕が思うに20分で7つ全部解けたら大したものだと思う。

★これ中々面白い問題である。
分かった人は是非コメントして欲しい。
これは僕が答が分からないので言っているのではないのである(笑)。

詰パラ2018・5月号の結果稿から短大編④

詰パラ2018・5月号の結果稿から短大編④である。

☆短大⑩金子清志作。
この作品メチャメチャ面白い。
ストーリーが本当に良い。

★34飛→54飛の往復がテーマ。
まずは不利逃避を利用して1往復。
この作品、駒取りは1回でこの1回は玉方による捨て駒である。
詰将棋捨て駒は玉方から見たら駒取りである。
54桂を取るのは玉方の捨て駒。つまりプラスポイントである。

☆次の1往復は不利逃避の返し業で35角を捨てる。
ここまでは僕でも考えるれるような事。

★もう1往復するのが素晴らしい。
角がいなくなったので2筋に逃げる手が成立する。
それで35に打つつもりの桂を使わせる。
これでもう1回飛を54迄行かせる事が出来る。

☆で最後が33桂成の感触が素晴らしい。
ストーリーはただ往復しているだけだが、33桂成が焦点捨て駒になってフィナーレを盛り上げている。

★飛は最後54のままなので往復は2回半で、3回往復するのは玉。
しかし、ストーリーは飛と玉が3往復である。
2往復だけなら駄作と言っているところであるが、もう1回した事でこんな面白い作品はないと凄く感心した作品なのである。

詰パラ2018・5月号の結果稿から短大編③

詰パラ2018・5月号の結果稿から短大編③である。

☆短大⑨山路大輔作。
山路氏の得意は合駒を何度も出す事である。
それも局面を変化させて出すのではなく、似たような局面から何度も出す。一体どうやって創っているのか不思議である。

★この作品は合駒は23香合だけ。連続捨て駒作品である。
しかし、山路氏はこのタイプも得意としているようである。
合駒を何度も出すのと連続捨て駒は質的に真逆である。
両方得意とするのは難しいはずなんだが。
ピッチャーとバッターを両方やる二刀流くらい難しいと思う。
☆僕は連続捨て駒タイプなんで、この作品は合駒が何度も出て来る作品より好きである。
手順は好みだが、作意枠外の駒が気になるところ。
山路氏の腕でも、3枚の銀はむしろこの程度でよく成立させたのかも知れない。

★山路氏の創作法が分からないと書いたが、丹念に読むタイプだと思う。
これ僕と真逆になる。
僕は手はほとんど読まない。
変化は作っているからである。
変化は作るものと思っている。詰む詰まないは偶然に頼らない。詰む必要があるなら詰む変化を作るのである。
大事なのは良い変化で詰ます事で、良い形にする事ではない。これが僕の創作法なのである。
このタイプの代表作家は小林敏樹さんである。
あの終っている敏樹さんで、これからの尚樹さんではないのである(笑)。
ま、小林尚樹さんも微妙なところは偶然に頼っているけど基本的には変化は作るタイプである。

☆いつもの自慢が始まったと思われるかも知れないが、実は逆。
変化を作るのは難しいようで実は一番簡単な創作法なのである。
一番難しいのは変化を丹念に読む創作法なのである。
難しいと言うのは苦労が多いと言う意味である。
どれくらい大変かは10倍くらい大変。
このタイプは角 建逸さんがそうだと思うが、感心するものがある。
山路さんは作品の質が良いのはこのためだが、これで量を創れるのが驚きである。

詰パラ2018・5月号の結果稿から短大編②

詰パラ2018・5月号の結果稿から短大編②である。

☆短大⑧鈴川優希作。
典型的な逆算創作なので作者の気になって終りから見てみたい。
この作品は良過ぎて僕の作品には出来ないので、作者の気になるしかないのである。
17手詰は駒繰り主体。無難でしかない素材である。
1点だけ創作のポイントとしては、44銀に36玉は26玉として45銀を指さない方が良いように見えるが、45馬にしないよう36玉が最善に気付くかどうか。これが見えれば普通に逆算するとこの形にはなる。

この局面になれば45銀打ちが入るかである。26玉や35玉が詰むか。46に来てくれないと56馬にならないから。
44馬が利くのは意外に簡単に詰むのを確認すると45銀打まで逆算出来る。
で次は37〇、同馬がどの形で入るか。これはほぼ誰もがやる。
で19手詰迄の逆算は誰もが可能である。

それで2手逆算のこの作品の形は直ぐ浮かぶが気が進まない。
この形、発展性が感じられないんだよな。
まさか34玉で36銀を香で取るのは考えるだけでも恥ずかし過ぎる。
でも待てよ、この銀は合駒だったらありだよな。
これが浮かんだ時点で鈴川君の勝ちだ。

香は打つ手では入らない。桂の空き王手は決まる。
で、37香を同角成と取られるとどうか。
詰まない。
銀を置いてはどうか。25では56馬がある。
27銀は可能性あるな。これが成立したら不成中合になり話が美味い。
とりあえず37角成を読む。詰む!
36銀成は56馬。これは36銀を香で取る形にした時から分かっている。
残りは36銀打だけ。これ作意に27銀がある形だが、これ雰囲気的にある方が詰み易い。
一応、変化は成立しそうだとなる。
成立を確認する。
まだ余詰確認があるが、これ行けたんじゃないかと作者が感じたのが分かる。

この作品はこの形になればこの逆算は出来るものばかり。
そもそも逆算は離れ業の直前の局面で、その形しかダメだとなれば誰でも気が付くもの。
ただ逆算創作はダメだと思うと、とどうしても前に戻る。
よく36銀、37香の形にしたなと思うが、他の形をどれだけ考えたのか知りたいものである。

詰パラ2018・5月号の結果稿から短大編①

詰パラ2018・5月号(結果稿)短大であるが今月は全部面白いので全作取り上げてみたい。

☆短大⑥柳原裕司作。
57馬はこんなとこにいるので何か働きかける手を期待した。
何だ!単なる余詰消しじゃんかヨー。
作意を見ると24角と66香を許せないのは分かる。
大駒を置くより歩かと金で個々に消したい気もするが、実際に個々に消すとしても気になる配置になってしまう。
他に余詰があるかは知らないけど、やむを得ないようである。
でも見苦しい配置である。
柳原氏本人のコメントでも分かるようにらしくない。
僕だったらどうか。これくらいの配置は日常茶飯事の当たり前である。
そんなこんなで、この作品は皆は僕の作品と思った方が良いのである(笑)。
この作品は元々の素材はありふれたもの。それに4香の打ち捨てをアクセントで付けようと考えたものだろう。
そして、香の打ち捨てにランダム感を出そうとしたら偶然違う段になったのだろう。
ランダムと言っても論理的。偶然と言いながら作為的で上手く創ったものである。
流石に僕の作品である。

★⑦山田康平作。
序盤はどうだかなって感じがしたが、角の回転のためか。
回転を主張するならもう一回43→54に動かなくては意味ないし、45角の手は駒取りでは面白くない。
まあ、作者は主張するつもりでなくおまけくらいに思ってもらえばそんで良いだろうが。
手順は空中捕獲が格好良いのだが、制空してる地点が多いので、それほど鮮やかな感じではない。
序は僕はハテナだが、この素材はこんなもんであろう。
悪くない作品であるが、今月の作品の中では駄作にしか見えないのである(笑)。

詰パラ2018・5月号の結果稿

詰パラ2018・5月号の結果稿を読んで思った事を書いてみたい。

☆小学校⑦久保紀貴作。
僕は詰将棋が駒余りにならないようにしているルールは論理的ではないと思っている。
これは美的感覚から出来たルールでしかない。
そして、これがあるから詰将棋は面白く絶対に必要ルールだと思っている。
同手数の場合、駒余りは変化になるのは詰将棋を美しくするためで、作家は利用するべき事だが、駒余りだから手順が限定出来る創り方はルールの主旨に反すると思っている。
久保作は4手目の飛合は何を合駒しようと94飛で詰む。
87飛は駒余りを防止するためでしかない。
美的感覚のルールで作られたルールをこんな風に使ってはいけない。
ただし、この作品は5手詰で飛の中合2回を創ったものである。
5手詰飛中合2回で詰将棋らしくするのは無理。
そして、駒余りルールを使わなければ、成立させる事さえ不可能だと思われる。
詰将棋らしい作品にする事は度外視したものであり、言うなれば創作パズルである。
その創作パズルはそれはそれで面白いので、創作パズルの答としては良く出来ていると評価はしているのである。

小学校では⑩外谷健司作が中々面白い。
終3手目歩打ちで俗手になるのが超短編では得点としては不利かなってところである。

★中学校⑧水谷 創作。
水谷さんの名前の創だけど、作者を意味する作を付けると創作になってしまう。
紛らわしい名前なので、この人は詰将棋には向かないのである(笑)。
作品の方だが、初手24桂が指し難いようだが、僕は第一感だったけどな~。
24同金に金を打って桂を取るのが見えるからね。
16桂の配置がキズでダサいなと思ったのである。
水谷氏にしては駄作と思ったのだが意外に評価は良かった。

ついでだが中学校⑨鈴川優希作も鈴川氏にしては駄作である。
理由は最後64同とと同玉では必要とする駒が違うからである。
他の作家ならこれでも良いが、鈴川氏がこんな下手な創り方をしては駄作なのである。
これは鈴川氏ならもっと良い作品を創ると、褒めている事になるのである(笑)。

☆次に高校。
最近、太刀岡氏が好調である。
好調の要因は創作技術の向上が見られる事である。
以前はその作意を成立させる構図の創り方が下手であった。
分り易く言うと、紛れを殺し変化も殺していた。
それが紛れも残し変化も生かせる構図の取り方が出来るようになって来たようだ。
更なる活躍を期待したい。

詰パラ2018・5月号(結果稿)幼稚園⑤

詰パラ2018・5月号(結果稿)幼稚園⑤】

★この作品は幼稚園解答者には難しいと思っていたのである。
難解性は狙いで狙い通りになったようである。
僕は弱いものいじめが好きなのである(笑)。

☆難解なものは幼稚園には向かないのであるが、この作品は幼稚園に最適と思って投稿している。

★まず変化量はむしろ少ない。
2手目は5手。4手目は0。6手目は2通りで1手詰。
8手目は3通りで1手詰。
これだけしかない。
それから玉はほとんど動けるところがない。
詰方の手は見えている。
つまり、発見困難な手もなければ、玉が広く捕まるかどうかの心配もない。
そして深い読みさえも必要がない。
これほど幼稚園に最適な作品もないと思う。

☆難解になっているのは組み合わせが多いからである。
しかし、深い読みは必要しなく、ダメな手はダメと分かるようになっている。
誰もが丹念に読みさえすれば必ず正解にたどり着ける作品なのである。

★尚、11歩は左に寄せれば必要はなく、それでも6×6には入っているが、幼稚園解答者には少しでも狭い方が考え易いと思いこの図で発表したのである。