コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

10月号の難解作

詰パラ10月号の出題作品の解答募集の締切りは過ぎているので書いても良いだろう。

☆10月号の小学校に史上最高の難解作があった。
⑯上谷直希作は解くのがメンドクサかったので柿木にかけてみた。
すると解いて来ない。
仕方ないから自分で考えたが、簡単に詰む。
試しに最終手の局面を入力してみたら、1分半くらいで不詰と断定して来たのである。
柿木が不詰と言うこの作品は史上最高の難解作と言って良いだろう。
因み、僕の柿木将棋は7で、Ⅸのような安物は使っていないのである(笑)。

★それから⑳太刀岡 甫作は自力で解いてみた。
解くのに掛かった時間は言う気にはならないのである。
因み柿木は瞬時に解いてしまう。
この作品ほっと氏がブログで7手詰では最難解作のように書いているが、僕も最難解作だと思う。
ただ良い作品とは思えないんで、どんな評価になるか楽しみである。

今週の楽しみ

★今週は楽しみにしている事がある。
去年から裏短コンはほっと氏のブログ「詰将棋考察ノート」で開催されている。
今年も開催されるようでほっと氏のブログで告知されている。
☆で、いつ発表かであるが、それも書かれている。
「11/10(土)までには出題したいと思います。」と意味が分り易い言葉で書かれている。
これは11/10より前には発表されないと言う意味なのである(笑)。
なので土曜日が非常に楽しみなのである。
★開催は今迄鈴川氏だったが、ほっと氏に代わって残念な事が一つだけある。
それは鈴川氏得意の法律違反ギリギリの誇大広告文句がない事である(笑)。

谷川浩司作2手省略課題解答

谷川浩司作「月下推敲」第23番の最後の2手省略課題解答発表である。

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基本図は持駒 金金香
玉方 21玉、33角。
詰方 11銀、34歩。
である。
11銀は角にしたらどうかと浮かぶがこれは余詰筋が強く不可と考えてもらう。

★谷川作から最後の2手をなくすには51と52に玉方駒か詰方の利きになる。
基本的には51香52歩で遠打と24歩合対策と収束は成立している。
問題は31と32玉と23金合と24桂合をどう詰むようにするか。
それを詰むようにすると初手22金が大概詰んでしまう。
それがこの課題の難しいところである。
簡単なら谷川さんは2手省いた作品にしているはずである。

☆僕が最初に用意した解答は基本図より追加玉方 51香、52歩、62歩。詰方 45歩であった。
これで成立しているが重大な欠陥がある。
15手目31玉に早い順がない事である。
作意で詰ませば良いので単なる非限定なのだが、31玉は22角は42角とか更なる非限定を生んでいるのはマズイ。
でも解消は簡単である。玉方 52歩を詰方 64桂にすれば良いかと思う。

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★で、最終的に用意した解答がこれ。
僕の作品なら追加駒は玉方 51歩、55と。詰方 45歩、63銀にするだろう。
僕は全駒数最少より、詰方戦力最少を優先するからである。
それはこの課題には関係ない事である。

☆解答者は2名。
tsukuiさん解答。追加駒玉方 51歩。詰方 61銀、65銀。
31玉の変化は23金合に22金から精算と同じである。
以下33角、24玉、24金、32玉に持駒香(初手22金はその形になる)は詰まず金は詰む手順は22角成、42玉、32馬である。
これは僕と同じである。
違うのは2手目32玉に33歩成~24角以下を65銀で間に合わせている。
24桂合は22金から精算して33角で42玉は42金、23玉に24角成があり香打ち24合の交換があると初めから詰むので24桂合はさほど注意をする必要はなかったようである。

★URINNTYANNさん解答。
追加駒玉方 35歩、43歩、51歩。
詰方 56歩、61銀、74香。
31玉変化は22角成、42玉と進んで33歩成、53玉、31馬以下である。
この方は創作初心者だと思われるが、創作初心者でよく浮かんだと感心する。
創作経験を積めば22角成、42玉、32馬も容易に浮かぶようになるだろう。

☆景品であるがtsukuiさんは前課題解答分と一緒に送ってある。景品と言うより落書きがあるような本で本棚のゴミなのでお礼は無用である。
URINNTYANNさんは住所・名前の郵送に必要なデータをコメントしてもらえたらお送りしたい。
ゴミでも欲しいならの話だが、発送は気が向いたらになるので、いつになるか分からないのである(笑)。

面白い詰将棋の創り方

★最近、面白い詰将棋を見付けたのである。
それが写真の図。

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「冴えない詰将棋の創り方」と言うブログに載っていた作品である。
尻飛から馬寄を2回繰り返す作品を見て、もっと繰り返してみたいとなり創ったようである。
持駒金4枚を加えて繰り返すのは余詰が強く無理。
そこで浮かんだのが4桂配置と銀の配置のよう。
これなら2段目に守備駒を一杯利かせば成立する。
発想力に感心する図である。
でもこれいくらなんでも守備駒多過ぎじゃん。
守備駒の効率を良くしたら、見た目も手順も美しくなるのに。
まずは最後飛捨てにする必要はない。
どうせ見えている手なので金で十分。
桂2枚と馬の3枚利きの形は打ち込む手を防ぐのはある程度の守備駒は必要。
これを効率良く守れば結構良い感じの図になるはずである。

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☆こんな感じでどう。
このブログの人は詰将棋創作は初心者のようだが、発想力は豊かだと思う。
足りないのは技術だが、これは経験なんで中々面白い作品を創るようになるだろうと思って期待しているのである。

将棋パズル雑談

★僕は詰パラの「将棋パズル雑談」の問題はほとんど解いていないし読んでもいない。
マニアック過ぎるからである。
詰将棋嫌いな人は詰将棋作家をこれと同じように見ているだろう。
将棋パズル雑談を読むと、僕には詰将棋嫌いの人の気持ちが分かるのである。

☆で、いつもはパズル雑談の問題は解く事はないのだが、出題図29は考えてみた。
解けたとは言ってない(笑)。
パズル雑談では合法問題がよく出題されるが、僕はいつも何で合法局面にしなきゃいけないんだと思っている。
将棋の強豪でも詰将棋嫌いな人は多い。
その人たちはこう思っているだろう。
詰将棋は何で詰まさなくてはいけないのか、と。
詰将棋嫌いの人の気持ちがよく分かる僕であった。

★出題図29は何で解いてみたくなったか。
それは見た瞬間不可能局面と分かるからである。
詰将棋嫌いな人でも形が良ければ解いてくれたりする。同じ心境であろう。
出題図29は11馬と31龍は単独でも11馬と指すのは不可能。1枚でも不可能なのに2枚もあるのは不思議。
何で合法局面にするのかと思うより、どうやって不可能局面を解消するか考えたくなる作品である。
詰将棋嫌いでも好形で一見詰むように見えないが、実は簡単だとなると解いてくれるだろう。
それと同じ気持ちである。

☆今回この記事を書いているのは、正解を見て感心してしまったからなのである。
この問題どうするかは33に利きをなくす事である。
2枚利いているのを0にしたい。
それが減らすのではなく3枚に増やして解決するとは。
出題図29はウイットに富んだ問題で感心したのである。

★将棋パズル雑談はドンドンマニアックになって行くような気がするが、1問で良いので僕のようなド素人が解いてみたくなる好形作品を出題して欲しいと思うのである。

解図感想

詰パラ11月号小学校を解いてみた。
3作も骨があった。
ふと思った事がある。
前期の半期賞の作品は全く覚えていないのだが、今期の作品で前期だったら半期賞だった気がする作品が何作かあるのである。
が、多分これは気のせいなのである(笑)。

☆中学校21 kisy一族は見た瞬間解けた。
……とならなくてはいけないのに、えらい時間がかかってしまった。
解けない理由が笑えるので書いておこう。
僕は2手目の変化の読みで飛を成っていない。
すると4手目の変化で頭の中は飛が成れなくなっていたのである。

詰パラ2018・11月号表紙作解説

詰パラ11月号の表紙解説は9月号小林尚樹作である。
解説が色々面白い。

☆まず変化。
2手目11玉は14飛、12合、22角、同馬、同と、同玉、42龍、32合、33角迄と解説しているが、こんな事しなくてもバラして31角、11玉、12歩で簡単じゃないの?
12玉は13歩、同玉、14銀、12玉、23飛成、同香、24桂、同香、23角以下。これは変別もなく好変化。
13玉は14歩以下を書いているが、この解説いる?
前変化解説の12玉に13歩、同玉の形で1歩と2手節約してるので14銀で良いのに。14歩の方が確かに早いけど。

★もう一つ面白いのは、いつもの解説は褒める短評は同じところを羅列するのだが、今回は全く別の褒め評になっている事である。
これは作品の特長であるが、良いと思うポイントがいくつもあるって事だろう。

☆まず初手。これ考える手は32歩成の1点だろう。
31龍とかきつい筋はあるが詰将棋の手じゃないので読まない。
初手が簡単なのはとっつき易い長所である。

★次に2手目12玉の変化が良い。

☆3手目は31銀。僕はこれが一番指し難い。
31に打つなら角、33に打つなら銀を打ちたくなる形だからである。
31馬にして33に打ち込む手は見えてるので逆にするだけなのだが。

★33角は急所を付いた手で気持ち良い。
見え易くはあるが。

☆13歩の前に32龍捨てが必要なのがこの作品の気の利いたところ。
多分、これが創作のスタートだと思う。

★32龍に合駒されても詰まないようには見えないが、残り5手で詰まさなくてはいけない。
ん、ってなるところだが23飛成、11玉、13龍、12合、23桂迄は気の利いた変化になっている。

☆表紙作で褒め評がこうも褒めるところがいくつも別れるのは珍しいパターンではなかろうか。

★さて、これからがこの記事の本題である。
このように褒めるところが、その人によって違う事はどんな時に起きるか。
世間ではある人を褒めたい時に全く良いところがないとどうするか。
しょうがないから無理矢理褒めるところを探して褒める。それで違うところを褒める事になるのである。
つまり、皆が違うところを褒める。
これは全く良いところがないと言う事なのである(笑)。