コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

2018・7月号(結果稿)デパート⑤

【2018・7月号(結果稿)デパート⑤】

★この趣向が新しいか心配だったのであるが、ベテラン解答者2人が初見と言っているので投稿した価値はあったようだ。

☆趣向回数は桂4枚と最初はと金代用として片道5回が最多になる。
実際には84桂に81玉の形に桂がないとダメなので、1枚の桂は趣向には使えないので一応片道4回のこの図で最多である。

★可能性としては最後の1枚も趣向に使うとか、合駒で再生するとかなくはないが、僕は趣向作家じゃないので、この軽い仕上げで満足なのである。

☆尚、91香はなくても作意は成立する。
ないと4手目と24手目が72玉が非限定になり、これはかなり味が悪いと思う。

★91香を置いても36手目52玉が非限定で、ちょっと残念だがこれは仕方ないかなと思っているのである。

ズサンな29年度看寿賞選考

★今年の看寿賞選考はズサンであった。
まあ、もっとも毎年ズサンなのだが、今年は書くネタがあっただけたが。

☆まず、長編は満票?
本当にズバ抜けているのか。
僕はこの作品並べてもいない。
ズサンなのは僕なのである(笑)。
僕以上にデパートの解説がズサンだと思うが。
僕は素人なのであの解説では全然分からなかったのだが。

★短編は上谷作は看寿賞にはちょっと弱い気がするが、まあ良いでしょう。
問題は武島作が3作候補になっている事。
毎年武島作は受賞してもおかしくない作品が3作くらいあるのでむしろ正常である。
高レベル安定が受賞を逃している原因に思えてしまう。
今年の武島作は3作共色が違う。
例年ならどれも良いので分散されるのだが、今年の作品はハッキリ好みが分れるので、僕には今年こそ受賞させようとした決戦投票に感じてしまったのである。
それはそれで良いと言うか僕には好ましい事である。武島作品のファンなんで。

☆問題なのはどの作品が受賞作になるかである。
で受賞作なんだけど、この作品は武島氏本人が自作でベスト10を選んだらこの作品は絶対に入れない作品である。
この作品を授賞すると看寿賞は武島作全般より下になってしまう。
それは事実なんでそんでも良いけど、そんな作品に投票するのかよ。
これは僕の感覚なのでそう考える必要はないが、この作品は少なく共、武島氏の代表作ではない。
48金、同銀生、59桂、同銀生は59銀が余詰防止で必要なので仕方なく入れた手順ではないか。もし 59銀が省けるなら後に改良図とかを発表するんじゃないかと思えてしまう。
名局ライブラリーの65香のようにである。
つまり、武島氏にとって特に優れた作品ではなく、これで看寿賞作家を名乗るのは心外だろう。
授賞してしまったのは仕方ない。僕は前述の4手は良い手法と思っているので、この作品は僕の作品と言う事にして、僕を看寿賞作家と呼ぶのが良いのである(笑)。

★ではどの作品に投票すべきか?
僕なら順位戦の作品である。
選考記事で馬屋原作の看寿賞作に言及されているがなるい事を書いている。
あれは馬屋原作の収束がダラダラなんで、短編作家ならこうする手順として創ったものである。
本人には確認していない推測でしかない事なのだが、確認する必要もないくらい分かり切った事である。
仮に分かっていても誌面には書き難いのはあるが。

☆選考委員の意見で「手順さえ良ければ形はどうでも良いと言うのはやはり違うのではと言う気がする」との意味を書いているが、この意見は完全に間違いだ。
詰将棋とは手順がどうあれ形などどうでも良いのだ。
必要なのは手順の必然性なのである。
手順に必然性があれば形はどうでも良い(推敲されているのが条件であるが)
手順の必然性とは作意成立以外に駒がない効率性が手順の必然性になる事もある。
僕と高坂氏の意見とは正反対ではなく目指しているものは近い。
僕は手順が大事と言いながら実は駒の効率性から来る形の良さに憧れ、高坂氏は形が大事と言いながら手順の良さを目指す創り方になっているのである。

順位戦の武島作は手順の無駄を省く手順の必然性がある作品である。
これネタは馬屋原作なのだが、武島氏は駒の無駄を省く事を手順の必然性としていて氏の作風とは真逆の作品になる。
このネタなら手順の無駄を省く事が手順の必然性と考えたのだと思う。
僕は手順の無駄を省くのを最優先したいので、この作品に投票しただろう。
でも、この作品が授賞なら武島氏は看寿賞を辞退した可能性はあるかも知れない。

★残るは将棋世界の作品になるが、本人が投票するならこれ一択である。
武島氏の作品はそもそも既成手筋の組合せでしかない。
それで究極の美しさを求めている。
部分的には新らしさがないので看寿賞には恵まれていないだけ。
それでいて作品は新味があり輝いている。
武島作は食べ物なら熟成品である。
看寿賞は生物と例えるのが良いだろう。
武島氏が看寿賞作家と呼ばれたくないのはこのためだろうか?
実際には違う気がするが、そう思いたいところである。

☆武島作受賞の話が長くなったが、ズサンなのは藤井聡太作も候補にならなくてはいけないと思った事である。

★特に酷いのは中編賞該当作なしである。
確かに今年はパンチのある作品はなかった。
それで該当作なしに投票するのはありである。
でも該当作なしに投票したのは一人。
選考委員に票が割れそうと言っている委員もいる。
だったらいくらメール交換の協議でも受賞作ありに持って行く事は出来たはずである。
選考委員はバカか!
バカなのは仕方ないから、最低でも2次投票のシステムは変えろよ。
それに今年の作品なら齊藤光寿作は最近の看寿賞作品よりずっと良い作品だよ。
選考委員もこれは面白いと言う人が複数いたのになんで該当作なしになるのか。
選考委員がバカとは言い過ぎだが、選考システムが来年もこのままなら選考委員は大バカである。

☆……あー、しまった。
風氏にメールで送ろうとした事をブログに書いていた(笑)。

この看寿賞選考方式はダメだ

看寿賞はどんな賞なのか。僕の認識は下らない作品が堂々と受賞する賞である。
勿論、素晴らしい作品が受賞する賞ではある。
詰将棋は本来人それぞれの考え方の違いで良いと感じる作品は違うものである。
毎年毎年自分の良いと思う作品が受賞していたらその方が逆におかしいと言える。
誰もが納得の選考はあり得ない。
しかし、看寿賞は一応最高の作品に与えられる賞なので下らない作品が受賞するようでは選考方式がダメと言わざるを得ない。
今の選考方式になってから下らない作品が受賞するようになったから、この選考方式ではダメと言いたいのかと言うとそうでもない。
この選考システム以前でも下らない作品の受賞はある。
むしろ今の選考方式は下らない作品が受賞しないシステムと思う。
協議して受賞作を決めるのは理想の選考方式なのである。
何がダメなのか?
出来てないからである。

☆現在、協議して決めるとなっているが、本当に協議しているのか?嘘だろう。
一堂に会して協議なんかしてないだろう。
精々メール交換程度のはずだ。
僕はメールでも協議する事は出来るとは思う。
しかし、今の選考結果や協議内容は全くやってないのと同じである。
根本的な協議が出来ないなら今の選考方式は根本的に変える必要がある。
僕は根本的にダメだとの意見であるが、細かい事で他のブログにも不満の意見はあるので、ちょっとは改革する必要があると考えろよなと言いたい。

★ダメシステム①第1投票と第2投票はいらない。
第1投票は読者投票で事足りる。一応選考委員も一読者なので漏れがあれば投票すれば良い。
第2投票は論外。協議して決めるだから不要。
票が割れた時に必要なだけなのに、これで決定になるのはバカシステムである。
これは初めから協議してない事が前提のシステムだ。
実際問題協議出来てないんだから、第2投票は必要ではあるけど。
改革するとなると各部門1作受賞にする。
それには第2投票に3票迄が良くない。
一人1位~3位迄3作投票にして1位=3点、2位=2点、3位=1点とする。
基本点数に達した作品を受賞として、基本点数に達した作品がないなら決戦投票で、該当作なしにはしない。
こうするだけで低俗受賞作は格段に減る。
今の第2投票のおバカシステムは来年から変えよう。
もし、来月もこのままなら僕の作品が選考されても受賞は辞退する。
これは選考されるような作品がないから言える事なのである(笑)。

☆現在、最もダメな点は第1選考がズサンな事である。
候補作を完全にピックアップ出来ているのか。
有力候補を絞る段階の作業はどうか。
これがちょっと酷い。ズサン過ぎる。
毎年そう。
これに関しては作品をよく見ている選考委員を数多く揃えるしかないのだが、無理だろう。
僕のような人間が10人いたらどうか。
もっと酷いかもしんないな。
出来る対策は看寿賞選考の記事を止めるのが良い。
内容のない協議など書く必要はない。
各選考委員の選考理由だけ書けば充分。
春霞賞はみたいに。春霞賞は誌面をもらえてないだけなんだろうけど。
中身のない協議内容を書くスペースは目一杯候補作の図面と手順を載せるようにする。
読者が読みたいのは下らない議論じゃない良い作品を見たいのだよ。
良いと思う作品は人それぞれ。
受賞作が一番良い作品のケースの方が実際には少ない。
読者は受賞作を見るより、受賞しなかった候補作の方が本当は見たいんだよ。

看寿賞作家になる事

★今年の看寿賞短編賞は武島氏と上谷氏である。
武島氏は看寿賞は初受賞であるが、今迄受賞していないのが不思議な作家である。

☆そこで早速武島氏にメールしてみた。
当然、お悔やみのメールである(笑)。
冗談のようだが、以前から看寿賞はいらないと言っていたので、素直にお悔やみを申し上げたかったのである。

★すると返事が来た。看寿賞はいらないのは本当だったようだ。
受賞の言葉でも、ありがたくないと思っているような文章から分かるけど、こんな事ならおめでとうとメールするんだったと後悔しているのである。

☆それから全国大会に行くか聞いてみた。
会合にさえ出ないのに全国大会に行くか聞くのはバカげているが、看寿賞授与式があるので聞くだけと思った訳である。
すると全国大会は出ないので、皆に全国大会に出るよう催促するメールはしないようにこのブログに書いて欲しいと言われたのである。
僕は今、余計な事を聞いたのを大変後悔しているところなのである(笑)。

22合問題解答追加

☆前記事の22合問題の解説で基本型とも言える形に気が付いてなかったので追加解説したい。

《22桂合編》
詰方 25馬、41角。
なんと27枚で桂合だけ不詰に出来る。
但し、11玉が不詰なので25馬は35馬にしなければならず、それだと13馬の筋を防ぐ駒が必要になり結局は3枚必要にはなるが、こんな基本型とも言える形をうっかりしているようではチョー一流作家とは言えないのである。

もう1つ22龍と切り詰方41馬で24龍の形もある。
13龍の手を防ぐ必要があるので、3枚使用である。
具体的には24飛・41角にして33玉と23歩合を詰むように1枚何か置く(53銀とか)。
これは最初に浮かんだ形であるが、良案とは思えないので解説を書く時に忘れていただけである。


《22香合編》
玉方 13香型で玉方 21歩。詰方 24龍。
13歩だと成立しないが、むしろ13歩型の方法より優秀である。

詰将棋で香合に限定させる方法で良く使われ方法がある。
それは渡しても香が一番使われ難いパターンである。
香より歩の方が使えないが、歩合は二歩で出来なくするのである。
二歩で歩合を出来なくすれば、香だけ使えなくするのは難しくない。香の限定合は有効このパターンで出て来る事が非常に多いのである。
こんな簡単な事に気が付かないようではチョー一流作家とは言えないのである。
そんなこんなで今日からブログ名を変更する事にしたのである(笑)。

創作技術検定問題22合駒解答

★創作技術検定問題として出題した22合駒の解答である。
問題としては玉方13歩、12玉で32龍に対して桂合だけ不詰になる局面を使用駒3枚加えて作れと言うものである。
桂合を香合の場合も合わせて出題した。
13歩が香なら2枚で可能で、それは若島氏が考えた問題であるが、それは他合が全て2枚で出来るため香になっていたのであるが、その解答は綺麗ではないので、歩で3枚で綺麗な方法を求めよと言う問題にしたのである。

☆問題の主旨はそうであるが、僕の創作技術検定問題は実際に使える技術を前提に問題にしている。
実際に使えるかどうかは主旨を理解する事が重要で初心者向きの講座ではなく中級から上級者向きの解説になる事をご理解願いたい。
まずその前に模範解答者全員に景品進呈と書いたが、読者は模範解答者全員の意味を間違えていると思われるので一言。
模範解答者とは模範の解答をしたと言う意味ではなく、解答をする人が模範だと言う意味なのである。
つまり解答をした人は模範読者であり、解答をしない人は模範読者ではないのである(笑)。
解答者は2名で景品を郵送する予定であるが、気が向いた時になるのでいつになるかは分からないのである。
尚、解答欄魔氏よりコメントがあったが、あれは何なのか。多分、僕がTwitterを読むない事の当てつけであろう。
当然解答には見なされないが、このブログは嫌味コメントも歓迎なので、どんなコメントでも嬉しいのである(本心)。

★解答はコメント公開にした。解説では誰の解答かは記さないが興味のある人はコメントを見て欲しい。

☆この検定問題が実戦で役に立つ(実際の創作に使える技術)と書いたが、この検定問題は詰将棋作家が最も必要な技術だと言うのがある。
ある局面を詰まなくしたり詰むようにする技術は詰将棋作家にはなくてはならない技術であり、これの巧拙で作品が良くも悪くもなるのである。
22桂合が詰まないなら作品になり得ないのではあるが、そこは応用力になる。
例えば22桂合が詰まないが、詰まなくなっている理由を解消する妙手が入ればそれで作品になる。
これは例なので作品化する方法はいくらでもあるが、それは応用力で応用が出来るには基本技術が必要なのである。

★この検定問題は中級編であるが、上級編も実は含まれているのである。
それは状況把握能力問題にもなっているのである。
何故問題自体がその条件になっているかそれを考える事が出来たら上級者と言えるのである。

☆条件=問題であるが、何故その条件になっているかを考えてその理由を満たす別の条件を考える事が出来れば上級者なのである。
例えば13歩が問題の条件だがこれは別の駒にしてみる。条件の意味を変えなければ条件を無視する事が出来る人は詰将棋作家に向いているのである。
これは実際の創作でここはこうなっていなければいけないと言う固定観念がある時、この条件ぶっ壊し癖を付けておくと、待てよここはこう変えたらと発想し易くなる。それには状況把握能力が重要なのである。
この問題なら13歩は香にしたらとなるが、香は既に出題された問題なのでなし。でも桂にして良い方法を考えるのはありなのである。

★それとは逆のパターンもある。
問題条件はクリアしているが、実際には無意味な図もある。これは狙ってわざと条件に加えなかったのである。

☆さてこれからが解答発表であるが、これは僕の用意した解答とコメントの解答で構成している。
例なので他にも方法はいくらでも考えられると思われる。

《22桂合編》
①玉方 33銀。詰方 14角。持駒 桂。
これは取られた時に前に利かないので詰まない。
前に利かない駒は他に角があるので、角を売り切れにしない図で僕の用意した解答である。
これは理由の明快さが優れている。

②玉方 33銀。詰方 25香、43金。
これは桂合不詰の理屈は①に同じだが角を売り切れにしない方法は別である。
ただこれ初手32龍が成立しない。
これは問題条件には入るが、22桂合不詰以前に32龍が成立しなくては意味がない。なのでマイナス100点になる。
……と言うのは嘘。まず初手が成立しないのはそれは後で考える事で桂合不詰を考える前には考えなくて良いからである。初手成立しないと中々分からないからである。
それとこの図は32龍は成立しないように見えるが、本当は32龍は成立する。玉方 32桂を置いて52龍で初手は32龍になる。
それだと持駒桂で使用駒が4枚になるので条件違反?
前述したが意味を満たしているなら条件を無視するのがこの検定問題では優秀なのである。
つまりこの解答は有効である。

③玉方 21桂。詰方 34香、43馬。
これ②と同じ理由で初手32龍は成立しないのでは?
100%成立しないなら不可解答なのだが、他に何を置いても成立しないかとなると、簡単に出来ないからこそ面白い作品になる可能性はある。
十分有効解答である。

④玉方 21角、34金。詰方 43馬。
点数はズバリマイナス100点である。
理由は32同角で詰まないからである。
問題条件には合っている。
しかし、状況把握能力でマイナスになってしまうのである。
いくら22桂合は詰まず他合を詰むようにしても、32龍を取られて詰まないならそれは全く意味のない事になるからである。

⑤詰方 23桂、35龍、46桂。
これ22桂合を詰まなくする理屈の良さなら最優秀解答であろう。
実際の創作では最優秀案を見逃さない事が最も大事たが、沢山の案を考える事も重要である。
さらなる展開を考えた時に次案が生きる事もあれば、作品の質から簡明なのが良い時もある。
他にないかと考えるのも詰将棋作家の必要創作技術なのである。


《22香合編》
①玉方 21桂。詰方 43角。持駒 歩。
これは僕の用意した解答である。
当然の事ながら、解答コメントを見て用意した解答と言っているのではないのである(笑)。
僕は気が付かなかったが、同じ理屈で持駒 歩の代わりに詰方 15香、43馬もあるようだ。
実際に使うなら持駒 歩の方が優秀だが実戦は生き物なので15香しか成立しない場合もあり良い案である。

②玉方 13歩を省き詰方 14歩、25歩、42馬。
玉方13歩を省く事が重要。この検定問題は条件を破るほど優秀な解答になるのである。
条件を無視するには状況把握能力がないと出来ない事なのであるから、条件を破るのは良い事なのである。
要は実戦で玉方13歩は詰方14歩で意味同じと気付くかどうか、実際には成立しなくてもそれが気付く気付かないは作家として大きな違いなのである。


《まとめ》
詰み不詰を自由にするように出来る事が出来て詰将棋作家で、これの巧拙が作品レベルの差になるので、これから一流作家を目指す人に参考になれば幸いと思い書いた記事なのである。