コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録⑥

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録⑥】

☆31中筋俊裕作。
僕も名無し名人さんもシード権内予想で、結果もシード権獲得であった。
1手1手見たら単なる手筋物。普通は全く得点が伸びないタイプの手順である。
何が評価されたか。「原形戻し」である。
一旦56玉とさせ57馬にさせたら46に戻す。
目的の57馬にする事以外は同じ局面で原形に戻している。
この作品が優秀なのは66飛は初手でも出来る。
又、初手57金、同馬とも出来そうな局面である。
いずれも取ってくれないための無駄に見える手間が面白いのである。
この「原形戻し」手法は呼び名はどうでも良いので、創作で是非皆に使って欲しい手法である。

★34中村宜幹作。
僕も名無し名人さんも評価してなくてシード権は意外。
銀中合は単純だし、7手は既成だし。
一応、角角では詰まず角銀にする変換するのは原形変換じゃないのでそれほど評価してなかった。

双玉は僕は推進派で、その推進も意味がなくても双玉にするのを推奨するしている。
このような簡潔な仕組みで、銀中合なのは好感が持てる。
シード権は今でも意外だが、好感の持てる作品であろう。

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録⑤

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録⑤】

☆21須田将一作。
僕の予想記事に名無し名人さんからコメントがあった。
僕が5位以内の予想の作品にシード権外予想なのがあると。
それがこの作品で、名無し名人さんのブログの順位予想は18位である。
で、結果は13位。
ちゃんとシード権に入っているじゃんかよ~(笑)。

★名無し名人さんは直ぐ51龍が見えたそうである。
短評にある岸本裕真氏もそうなのかな。
たまにある筋なので、直ぐに見えたら効果ない。
この筋は解く時によって、直ぐ見えたり見えなかったりする筋だと思うがどうだろう。

短評では初手が発見に苦労する手になってるが、僕は第一感だと思うけどな~。
形から意味も分からず打ってしまう手のはずなんだが。
51龍が見えなければ、64角は意味も分からず打っているので結局初手に戻るので、初手が難手になっていると言う事なのかな。
まあ、この手の作品としては成功作の部類に入ると思うのである。

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録④

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録】

☆13北岡正一作。
予想記事のコメントに名無し名人さんから、僕が5位以内に予想しているが、シード権外予想の作品があるとコメントがあった。
それは21須田作だったのだが、僕はこの作品と思いコメント返信した。
その時、手筋物は得点が伸びないのがあり、名無し名人さんの予想通りになるだろうとは思ったが、結果はその通りだった。
この作品、僕が5位に推したのは、2手連続で飛捨てで打ち、その後連続で捨てる構成美を評価したのである。
解答者には評価されずに残念である。

★14北川 明作。
この作品は僕は全く評価していないのにシード権作になった。
この作品は解くのに苦労した解答者がいたようだが、僕も苦労した。
これが評価された最大の要因かと思われる。
僕は終4手目に取られないために移動合するのが、凄い嫌いなんで、予想する時は嫌いと言うだけで低くなる。
それでも僕は13北岡正一作の方が良い作品と思うけどな~。

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録③

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録③】

☆これより配列順で行く。

★3石川英樹作。
この手順の9手詰は僕も創ろうとした。
でも中編にして発表した。それが「幻の城第49番」である。
平成22年3月号短大に発表した作品である。この作品は元は9手詰で考えたのであるが止めて中編にしたのである。
石川作で言えば5手目47龍、37歩合、同龍、27香成、26龍と進み後は捌きを主眼とした仕上げにした。
これは類作だと思って書いているのではない。
僕の作品は成香変換で成立させた駒を捌くのか狙い。
石川作は合駒を成香変換させるのが狙いだから違う作品である。
この記事の主旨は僕が何故9手詰にしなかったかにある。
この9手詰の手順は成香変換はしているが、盤上の龍を捨てている。
僕はここは原形戻しでないとつまらないと言う考えなのだ。
つまり盤上は香が成香に変わった以外は、盤上の配置が変わらないように創る「原形戻し」になっていないから9手詰にしなかったのである。
宇貞光明「狙いが高級すぎて、わからないかも。」と短評があるが、僕が原形戻し手法の優秀さをよく書くのはそのためである。

詰将棋は作家によって同様の手順を考えても違う図になる。
僕は昔(20年以上前)も今も9手詰の図を創る気はないが、創って発表したとしても2.5台の図であっただだろう。
石川氏の図は非常にセンスがあると感心した。
作者名を考えればこれくらいは当たり前ではあるが。

★原形戻し理論は今回の短編コンクール順位予想回顧でこの後も書く予定である。

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録②

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録②】

☆作品の得点トップは武島作であるが、同一手順の作品があるので、コンクールとしては失格となった。
当然の処置である。
類似作がある作品は他にもあるが、上位に行かない作品は失格にはなっていない。
僕は上位に行かなければ失格には及ばないと思っていたので、当然ではないかも知れないが、適切な判断だと思う。

★この作品がもし先行作がなかったら武島氏の優勝は2回目になる。
凄い事である。
でも2回優勝するよりはるかに難しい事だと思っている事がある。
それは優勝を経験し最下位になる事である。
優勝する腕があったら例え最下位を狙って創ってもそこそこの作品になってしまうからである。
僕は短編コンクールで優勝と最下位を両方経験する事が出来たら、詰将棋界最大の偉業だと思っているのである(笑)。

☆武島作は失格になった。
これで〈失格は実質最下位なので優勝と最下位を両方経験した事になるのである(笑)〉
………と武島氏がブログの短コン順位予想に書いていたのである(笑)。
言っておくが、僕はちゃんちゃら偉業と認めていないのである。

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧】

☆優勝作久保紀貴作の僕の予想は2.4以下であった。
何でこんな下らない作が1位なんだと思い解説を見たら、解答誤解しているじゃんかよ~(笑)。
初手54桂だと思ってた。53玉には55飛、44合、45桂迄と読んで、それだと2.4くらいの予想は妥当だと思う。
久保氏が僕のブログを読んでいるかは知らないが、久保氏や他の人は何でこの作品がこんな低評価だと思ってはいないだろう。
誤解してやがるとほくそ笑んでいたに違いない。

★で、改めて久保作の評価をしたい。
初手34桂から角を動かすと、菱形を描き1回転する事になる。
これは大きな評価の要素だが、それで54桂経由のように単純では2.7を越えてはいないと思う。
34桂だと香と角の焦点なのが味が良い。
しかも同香の変化は味の良い好変化である。
そして、自ら飛筋を止める飛の前に打つのも味が良い。そもそも邪魔の飛なのに(笑)。
54桂とは段違いなのである。
3手目も54角よりは少し味が良い。
そして、5手目は解説にもあるが、初手34桂なら5手目では成立しないようにする創作上の難易度もある。
初めからちゃんと解いていたら2~3位で予想していたと思う。
解けなかったのは力足としても、54桂で単に角が動いているだけで久保氏が満足するかと疑問を持たなくてはいけなかった。
久保氏は軽い仕様を好むのはあるが、明快な狙いを持って創作する作家である。
54桂経由の角がただ動くだけで満足する人だと思ってしまったのは、失礼な事をしたと反省しているのである。

☆ところで解説でルントラルフがプロブレム用語で回転を意味しているとあるが、違うんじゃないの。
スイッチバックと言う用語は動いた駒が元いた位置に戻る事だと思っている人が多いと思うが、その解釈は不充分。
1回動いて戻って来る事。行って戻るの2回しか動かないのがスイッチバック
では3回以上動くのは何と言うか?
それがルントラルフだと僕は聞いている。
スイッチバックより上級だから別の用語になっていると僕は認識しているところである。

★他にもプロブレム用語が解説に出てくる作品がある。
39原田清美作の「モデルメイト」である。
これも説明がおかしい。
モデルメイトとは詰上がりに詰方の駒の利きが重複しない事である。
これは若島正氏に僕の方からメールをして聞いた事なので間違いないはずである。
詰上がりに詰方の駒の利きが重複しない詰上がりをチェスでは何と言うか聞いたら「モデルメイト」と教えて頂いた。
でも全面なのか、詰上がりに関与しない駒があっても良いかは聞き逃してしまった。
まず、全面に関してはチェスは全面でも詰将棋は玉の周辺のみにして用いれば良いと言うのが僕の持論である。
後者の詰上がりに関与していない駒がある場合は、他の人からその場合は違うと聞いている。
詰上がりに詰方駒利き重複なしで関与しない駒がある場合は「ピュアメイト」と呼ぶらしい。
であれば解説の説明は間違いではない。
たが、詰将棋は詰上がりに関与しない駒がないように創るのが基本。こうなっていて当たり前なのだ。
だからあえてプロブレムを使って褒めるほどではない。
モデルメイトと言う限りは〈詰方駒の重複がない〉事が重要。この説明がない解説はおかしいのである。
このモデルメイトは詰方駒重複無しを意識して創作する事が重要とまで行かなくても、心掛ける事により作品は良くなる。
一言で言うとキレが良くなる。
「モデルメイト」は役に立つので、詰方駒重複無しを意味する事として解説には使って欲しいものである。

☆順位予想回顧はまだまだ続く。
僕はアクセス数稼ぎに余念はないのである(笑)。

詰パラ3月号を見て

☆短編コンクール順位予想回顧は明日する事にしよう。
これは月初めにアクセス数を稼ぎたいからである。

★3月号でまず気付いたのは、学校全部の登場作家数が多い事である。
ダブル入選者が少ないと言う意味。有山 隆氏だけではなかろうか。
それと今月はスマホ詰パラ出身者が多い気がする。
出身者と言う表現は適切かどうか分からないが、スマホ詰パラで実積を積んで、詰パラ本誌進出している人とを出身者と表現したのである。
今月は高校に多い。

それと表紙の「19枚目の歩」さんである。
僕は将棋世界での中澤宣幸名義の作品の方が印象があり、センス抜群と感じている。
勿論、これはお世辞で……はない。
僕が褒める時はいつもお世辞とは限らないのである(笑)。
この人の詰パラ進出は大変嬉しい。
この人には特に期待した方が良いと言っておこう。

☆読者サロンを何気なく読んでいたらコンドーくにさんがこんな事を書いていた。
「最近同人になった〈若い人〉たちの投稿がほとんど無い」事だと。
これ完全に僕に対する批判である(笑)。
あー、若いのに全然投稿しないで悪~ござんしたネぇ。
これからは投稿しますよ。アイスイませーん。

★読者サロンには角 建逸さんも投稿あり。
夕刊フジ」で詰将棋欄を担当するそうだ。
一般紙に詰将棋を知る人が担当するのは、これ以上ないくらい嬉しい事だが、新作を毎日創るのは簡単じゃない。
まさか、読者サロンで上手い事を言って、誰かに創らせて自分は創らずに済ませようとしているのではあるまいな(笑)。