コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録③

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録③】

☆これより配列順で行く。

★3石川英樹作。
この手順の9手詰は僕も創ろうとした。
でも中編にして発表した。それが「幻の城第49番」である。
平成22年3月号短大に発表した作品である。この作品は元は9手詰で考えたのであるが止めて中編にしたのである。
石川作で言えば5手目47龍、37歩合、同龍、27香成、26龍と進み後は捌きを主眼とした仕上げにした。
これは類作だと思って書いているのではない。
僕の作品は成香変換で成立させた駒を捌くのか狙い。
石川作は合駒を成香変換させるのが狙いだから違う作品である。
この記事の主旨は僕が何故9手詰にしなかったかにある。
この9手詰の手順は成香変換はしているが、盤上の龍を捨てている。
僕はここは原形戻しでないとつまらないと言う考えなのだ。
つまり盤上は香が成香に変わった以外は、盤上の配置が変わらないように創る「原形戻し」になっていないから9手詰にしなかったのである。
宇貞光明「狙いが高級すぎて、わからないかも。」と短評があるが、僕が原形戻し手法の優秀さをよく書くのはそのためである。

詰将棋は作家によって同様の手順を考えても違う図になる。
僕は昔(20年以上前)も今も9手詰の図を創る気はないが、創って発表したとしても2.5台の図であっただだろう。
石川氏の図は非常にセンスがあると感心した。
作者名を考えればこれくらいは当たり前ではあるが。

★原形戻し理論は今回の短編コンクール順位予想回顧でこの後も書く予定である。

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録②

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧録②】

☆作品の得点トップは武島作であるが、同一手順の作品があるので、コンクールとしては失格となった。
当然の処置である。
類似作がある作品は他にもあるが、上位に行かない作品は失格にはなっていない。
僕は上位に行かなければ失格には及ばないと思っていたので、当然ではないかも知れないが、適切な判断だと思う。

★この作品がもし先行作がなかったら武島氏の優勝は2回目になる。
凄い事である。
でも2回優勝するよりはるかに難しい事だと思っている事がある。
それは優勝を経験し最下位になる事である。
優勝する腕があったら例え最下位を狙って創ってもそこそこの作品になってしまうからである。
僕は短編コンクールで優勝と最下位を両方経験する事が出来たら、詰将棋界最大の偉業だと思っているのである(笑)。

☆武島作は失格になった。
これで〈失格は実質最下位なので優勝と最下位を両方経験した事になるのである(笑)〉
………と武島氏がブログの短コン順位予想に書いていたのである(笑)。
言っておくが、僕はちゃんちゃら偉業と認めていないのである。

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧

詰パラ3月号(結果稿)短編コンクール順位予想回顧】

☆優勝作久保紀貴作の僕の予想は2.4以下であった。
何でこんな下らない作が1位なんだと思い解説を見たら、解答誤解しているじゃんかよ~(笑)。
初手54桂だと思ってた。53玉には55飛、44合、45桂迄と読んで、それだと2.4くらいの予想は妥当だと思う。
久保氏が僕のブログを読んでいるかは知らないが、久保氏や他の人は何でこの作品がこんな低評価だと思ってはいないだろう。
誤解してやがるとほくそ笑んでいたに違いない。

★で、改めて久保作の評価をしたい。
初手34桂から角を動かすと、菱形を描き1回転する事になる。
これは大きな評価の要素だが、それで54桂経由のように単純では2.7を越えてはいないと思う。
34桂だと香と角の焦点なのが味が良い。
しかも同香の変化は味の良い好変化である。
そして、自ら飛筋を止める飛の前に打つのも味が良い。そもそも邪魔の飛なのに(笑)。
54桂とは段違いなのである。
3手目も54角よりは少し味が良い。
そして、5手目は解説にもあるが、初手34桂なら5手目では成立しないようにする創作上の難易度もある。
初めからちゃんと解いていたら2~3位で予想していたと思う。
解けなかったのは力足としても、54桂で単に角が動いているだけで久保氏が満足するかと疑問を持たなくてはいけなかった。
久保氏は軽い仕様を好むのはあるが、明快な狙いを持って創作する作家である。
54桂経由の角がただ動くだけで満足する人だと思ってしまったのは、失礼な事をしたと反省しているのである。

☆ところで解説でルントラルフがプロブレム用語で回転を意味しているとあるが、違うんじゃないの。
スイッチバックと言う用語は動いた駒が元いた位置に戻る事だと思っている人が多いと思うが、その解釈は不充分。
1回動いて戻って来る事。行って戻るの2回しか動かないのがスイッチバック
では3回以上動くのは何と言うか?
それがルントラルフだと僕は聞いている。
スイッチバックより上級だから別の用語になっていると僕は認識しているところである。

★他にもプロブレム用語が解説に出てくる作品がある。
39原田清美作の「モデルメイト」である。
これも説明がおかしい。
モデルメイトとは詰上がりに詰方の駒の利きが重複しない事である。
これは若島正氏に僕の方からメールをして聞いた事なので間違いないはずである。
詰上がりに詰方の駒の利きが重複しない詰上がりをチェスでは何と言うか聞いたら「モデルメイト」と教えて頂いた。
でも全面なのか、詰上がりに関与しない駒があっても良いかは聞き逃してしまった。
まず、全面に関してはチェスは全面でも詰将棋は玉の周辺のみにして用いれば良いと言うのが僕の持論である。
後者の詰上がりに関与していない駒がある場合は、他の人からその場合は違うと聞いている。
詰上がりに詰方駒利き重複なしで関与しない駒がある場合は「ピュアメイト」と呼ぶらしい。
であれば解説の説明は間違いではない。
たが、詰将棋は詰上がりに関与しない駒がないように創るのが基本。こうなっていて当たり前なのだ。
だからあえてプロブレムを使って褒めるほどではない。
モデルメイトと言う限りは〈詰方駒の重複がない〉事が重要。この説明がない解説はおかしいのである。
このモデルメイトは詰方駒重複無しを意識して創作する事が重要とまで行かなくても、心掛ける事により作品は良くなる。
一言で言うとキレが良くなる。
「モデルメイト」は役に立つので、詰方駒重複無しを意味する事として解説には使って欲しいものである。

☆順位予想回顧はまだまだ続く。
僕はアクセス数稼ぎに余念はないのである(笑)。

詰パラ3月号を見て

☆短編コンクール順位予想回顧は明日する事にしよう。
これは月初めにアクセス数を稼ぎたいからである。

★3月号でまず気付いたのは、学校全部の登場作家数が多い事である。
ダブル入選者が少ないと言う意味。有山 隆氏だけではなかろうか。
それと今月はスマホ詰パラ出身者が多い気がする。
出身者と言う表現は適切かどうか分からないが、スマホ詰パラで実積を積んで、詰パラ本誌進出している人とを出身者と表現したのである。
今月は高校に多い。

それと表紙の「19枚目の歩」さんである。
僕は将棋世界での中澤宣幸名義の作品の方が印象があり、センス抜群と感じている。
勿論、これはお世辞で……はない。
僕が褒める時はいつもお世辞とは限らないのである(笑)。
この人の詰パラ進出は大変嬉しい。
この人には特に期待した方が良いと言っておこう。

☆読者サロンを何気なく読んでいたらコンドーくにさんがこんな事を書いていた。
「最近同人になった〈若い人〉たちの投稿がほとんど無い」事だと。
これ完全に僕に対する批判である(笑)。
あー、若いのに全然投稿しないで悪~ござんしたネぇ。
これからは投稿しますよ。アイスイませーん。

★読者サロンには角 建逸さんも投稿あり。
夕刊フジ」で詰将棋欄を担当するそうだ。
一般紙に詰将棋を知る人が担当するのは、これ以上ないくらい嬉しい事だが、新作を毎日創るのは簡単じゃない。
まさか、読者サロンで上手い事を言って、誰かに創らせて自分は創らずに済ませようとしているのではあるまいな(笑)。

詰パラ3月号到着

詰パラ3月号が届いたのである。
とりあえず採用作報告を。
小学校・創棋会作品展・デパートの3作であった。

★小学校の作品は短編コンクールの作品を創っている時に浮かんだ筋で副産物である。
短コン結果稿のある3月号に採用はありがたいと思っている。

☆創棋会作品展はズバリ入選回数稼ぎである(笑)。
実を言うとブログ発表と思い込んでいたのである。
ちょうどブログ発表の作品展の解説のあった時なもんで。
課題を見たら、この課題ならこの狙いで創りたくなり、手数を数えたらピッタリなのである。
それをやるだけの手数しかないので、非入選級にしかならないのはお許しを。
捨て駒なしは僕は耐えれないので、収束捨て駒にして19手詰にした。
頭の2手をカットした出題図なのは分かると思う。

★デパート①はEOGさんのブログの去年の9月号その1のN出作に似ている。
新作で通用するとは思うが、N出さんの作品を改作しようとしたものではない。
発想の元はバビル3世のブログに15歩を味良く14歩と突く作品があり、これ繰り返せないかなと思ったのがこの作品を創ろうとしたきっかけである。
自分としては会心作なので解いて頂けたら幸いである。

今日の一番の願い

詰パラ3月号がもう届いた不届き者がいるようだ(笑)。
そのせいで今日詰パラが届く事を期待してしまっている。
でも詰パラ到着より望んでいる事がある。
それは羽生さんが三浦九段の復帰戦はやらずもがなと思っていて、あー、やっぱやらずもがなだったなと思う決議がなされないかなと言う事である。
これが叶うなら今日は詰パラは届かなくても良い。

言っておくが、これは詰パラが今日は届かなくても良いと言う意味ではないのである(笑)。

蜂の斑点奇妙な症例

★鈴川君のブログmy cubeの裏短コンに発表された「蜂の斑点~奇妙な症例~」は実に謎解きが面白い作品であった。
詰将棋としては真面目に創ったならこの配置にしないだろうと言うものであった。
それで~奇妙な症例~と付いているので、この配置だからこそ奇妙な症例になると推理する事が出来る。
そこで、どうすると奇妙な症例になるかの謎解きを楽しむ作品なのである。
解決の鍵は「蜂の斑点」である。

☆で、答は蜂の斑点は柿木将棋「8の反転」だったのだ。
どうすれば奇妙な症例になるのか。
ある図面を入れる(余詰はない)→反転する→余詰を検索する。その余詰は成立しない。
最初の入力図面は余詰はないのに、反転すると成立しない余詰を検索する。誠に奇妙な症例である。
勿論、どんな図面でもそうなる分けでない。
発表図の謎の配置はその奇妙な症例が出る配置だったのだ。

★要は単なる柿木将棋8の不具合報告だったのだが、謎解きとして非常に面白い。
答を知れば8の反転には気付けたなと思えるが、それが気付かない難易度。これは謎解き問題としては最高ではないだろうか。

☆この裏短コン出題に当たって鈴川君は「いまだかつてない企画となりました。」と言っている。
これを読んで皆こう思ったはずである。
「いつもの許容範囲ギリギリの誇大表現が始まった」なと(笑)。
でもこれは誇大表現でもない、事実だったのである。
この「蜂の斑点~奇妙な症例~」の謎解きがある事で「いまだかつてない企画」になったと言えよう。

☆で、本当に柿木将棋8にそのバグがあるか。
それは実際に確かめてみたい。
が、僕の持っているのは柿木将棋7なのである。
何故、柿木将棋7なのか?
それは7が柿木シリーズで一番高価だからである。
(6以前の価格を知らないので、間違いかも知れないが8と9よりは定価は高い)
僕は常に高級品を選ぶのである(笑)。
8がない以上確認出来ないが、「8の反転」と言うからには7ではならないはずである。
よし、確かめよう。
……ん?柿木将棋7は反転出来ないじゃんかよ~(笑)。