コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

短コン33柳原作の改作

☆短編コンクールの柳原裕司作を解いた時に思い付いた改作がある。
改作ならまずは本人に見てもらうのが先決だと言う人がいるだろう。
そんな事は本人の連絡先を知っていたら当然そうするのである。
最近TwitterのDM機能を知ったので送ってみたところ、ブログで取り上げて欲しいとの意の返事をもらったのである。
これ幸いと……じゃなくてぇ~メンドクサイと思ったけど記事に書く事にしたのである。

柳原裕司作は次の図
持駒 飛
玉方 36角、65玉、66と、76と
詰方 57歩、74飛、83角、86桂、97香以上7手詰。

★この手順とほぼ同じ風みどり作があり、柳原氏は類作により入選取消の申請しているが、本作の価値は最遠地移動の意味の優秀さにあり、新作で通用するはずである。
手順構成が同じであるが、最遠地移動した飛を捨てるとしたら、こうするところなので、2手目以降が同じでも問題ではない。
さて柳原作のその最遠地移動の意味であるが、36角が素晴らしい配置なのである。
36の駒は作者から与えられた使命は2手目55玉、56飛、45玉、72角成、35玉、36馬迄を駒余りにする事である。実は作者に与えられた使命はそれだけなのである。
しかし、36は角であるために、その使命を世間に知らしめないようよく働いた駒になっている。
初手44飛、55玉に45飛打や54飛打などを防いでいて、よく働いた駒なのである。
これで新作の価値ありと思うが、僕はこの作品で非常に不満に思った事がある。
それは97香の配置である。
これ一路左にずらせばいらない駒。図を8路盤にすればピタリとした作品になる。
僕は配置の見映えを気にしたりしない。
しかし、作品の手順構成でその駒がどれだけ働いているかを非常に気にする。
この97香は終2手目以降しか働いていない。
そのためこの作品は収束が取って付けたように感じてしまうのだ。
これが改作したくなった理由で、次の図を考えてみた。

☆持駒 飛飛
玉方 36角、57と、66歩、75玉、76と
詰方 68桂、73と、92角、99香以上。
74飛、65玉、14飛以下9手詰。

柳原作では、初手と収束は形式上くっついていただけと僕は感じているところ、三輪図なら初手からでも85飛、同玉、84飛があり、一旦持駒の飛は14飛に置かないと成立しないので、初手と収束の因果関係のある構成になると言う主張なのである。
持飛を14飛にするより、置き駒の飛を14飛にする方がより生きると思うが、それだと64飛しかないのだが、不可能ではないが、スッキリした図には中々ならないと判断した。

★柳原作の方が好きと言う人が多い気はするが、この図の意図は分かってもらえると思う。


☆追記=文中に持駒飛を64に置く方法について書いているが、何故そうしなかったかであるが、一応持駒より64飛の方が良いと思い考えたのである。
その時は相当苦しい図しか出来なかったのであるが、記事を書いてから念のために考えてみた。
すると簡単に出来るではないか。
それが次の図。

三輪案
持駒 飛
玉方 36角、66と、68と、75玉、76と
詰方 57歩、64飛、73と、92角、88歩、99香以上9手詰。

前の図は僕自身が納得の行かない図。
この改作案は納得しています。