コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

嫌がらせ不成①

詰パラ12月号は先月はかなり早く届いたが、今月も結構早く届いたのである。
この調子で1月号も年内に届いて欲しいものである。

☆今月のちえのわ雑文集は深井一伸氏で「嫌がらせ不成について」であった。
そこで今回は嫌がらせ不成についての僕の見解を書いてみたい。

★ちえのわ雑文集の深井さんの論考で、これは論理的におかしいと思う図がある。
それは図3である。
これ32飛成と32飛不成のどちらが作意なのかは全く関係ないない図である。
32飛成と32飛不成でどちらも11玉になる。
で、その後は違う手順になる。
不成なら41龍が不可能で、成だと12歩が不可能手で、次の手さえ出来ない。
つまり成と不成は全く別の手になるのである。
この場合、成不成非限定とは呼ばない。
嫌がらせで成っている分けでなく余詰そのものなのである。

☆深井氏は嫌がらせ不成があるなら「嫌がらせ成」もあるのではないかと言っている。
結局は嫌がらせ不成も嫌がらせ成も同等に扱うべきでその矛盾点がこの論考の主張だと思う。
僕はであるが、嫌がらせ不成も嫌がらせ成も同じ考え方である。
図2は良い例図である。
この図、作意13香不成が作意で成る手が「嫌がらせ成」に当たる。
これこの図が完成図なら13香成は余詰である。
しかし、部分図として中編以上の主題が終わった後の収束なら成不成非限定のキズで通用すると思う。
そして作意は不成である。
ここで不成が妙手になるかであるが、この場合不成は取るしかないがなると11玉の余地がある。
取る一手にする不成は妙手ではない。
そもそも小駒の不成は利きが変わるので、論理的には不成は妙手ではなく感覚的妙手に過ぎない。
この収束型で言えば妙手として不成にしているのではなく、有利手として不成なので不成作意設定で通用すると思う。
小駒の成と不成は性能が代わるので別の手と考えれば余詰になる。なら嫌がらせを論ずるよりそれの方が問題である。
僕の結論は嫌がらせ不成も嫌がらせ成もあり、それらは同じである。

★しかし、これは小駒の嫌がらせ成である。
大駒成だとどうか?
説明するには図3の作り方がおかしい。
説明図にするために32飛不成で13玉、12飛成(成限定)を作意とする。
そして11玉は12歩、21玉以下簡単にして、32飛成なら41龍以下長い手順になるとする。
この場合、僕は不成の方が単純に詰むなら有利手なので、嫌がらせ成になると思うが世間は認められないだろうな。
でもこれは現実的には問題にならない。
何故なら作家は大駒不成が作意で成で詰むなら余詰と考えるからそんな図は作らないのである。

☆僕の結論は嫌がらせ不成も嫌がらせ成もあり、それは同じ事である。
ただこれは僕はどうでも良い事で嫌がらせ不成の根本的問題について次の記事で書いてみたい。