コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

難解次の一手解答

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★前回出題の次の一手の解説である。
問題は次に僕の指した手で、最善手を当てるのではないので難解なのである。
何故この問題を出題したかだが、僕は実戦で指した手を覚えている唯一の手だからである。
唯一覚えているのには理由があり、これで勝ちだと思い指しているのだが、どう考えても最善手に思えない手なので、この局面で普通の人はどう指すか疑問に思っていたからである。

☆さてこの将棋は僕は後手だったのだが写真の図は先後反転してある。
紛らわしいので先手=僕として解説する。

★まず、この局面は後手46歩と打ったところ。
46歩でなく△58角成▲同玉△57金なら▲49玉は17歩成で負けで△69玉は▲67金で怪しい。つまり負けくさい。
これは今検討して思う事で当時は両者切っては足りないと思っていたようだ。

☆記憶に残っているのは46歩を見て勝ったと思った事。そして次の一手も直ぐ浮かんだのである。
相手の手番なら58角成で負け。これだけは許せないと考えた手であった。
そう考えて指した手は▲47歩。

★当然△同歩成と来るだろう。
それに対して▲同銀と取るつもりは全くない。
▲65銀△58と▲77玉で勝ちと読んでいたのである。
次は△57歩成か57とだが▲83香成△同歩▲同香成になった時に22歩の受けが利かないのが自慢である。
後手としてはこの形は詰めろになっていないのでチャンスはある。

☆僕の大局観は▲77玉の局面はここから迷いが生じて負ける事はない。
しかし、出題図の局面は勝つ手は色々あるが迷いが生じて負ける手を指す可能性がある。
どちらが実戦的に最善か。
▲67歩と打てばほぼ▲77玉になるだろう。
僕は最善手より負ける可能性が低い手が最善選択手だと思っている。
それが僕の大局観であり▲47#歩が僕の最善選択手だと今でも思っている。

★でも▲47歩が最善手のはずはない。
ずっと疑問に思っていた。普通の人はどう指すかと。
だれかコメントしてくれないかと思っていたら、案の定だれもコメントはないのである。

☆ところで▲77玉の形を今考えてみたら、△57歩成~△47角成とされると意外に難しい感じである。
△57歩成に▲13歩が利くのかどうか。
△13同飛はないので△47角成▲同龍△12歩成でどっちが勝ち?
それとも▲23香成△同銀▲同香成△47角成▲同龍△42歩▲22金打なのか?
大局観では勝ちと思っていた局面だが難しかったかも知れない。

★実戦譜は▲47歩△同歩成▲65銀△58と▲77玉△57と▲83香成△68銀▲66玉△67と▲55玉△83銀▲同香成△43歩▲42歩△44歩▲92成香△同玉▲84桂△82玉▲19銀△87玉▲92角で投了。
新聞の観戦記事を読むと▲23香成の局面から相手は秒読みだったようである。
とりあえずはまずは△同銀なのに△68銀とは余程慌てていたようだ。
観戦記事を読むと僕の完勝のように書かれているが、今見ると手順の流れが綺麗なのでそう見えるだけで相当荒っぽい。

☆結局僕はこの大会で優勝した。
それで実戦に力を入れる事になる。
……って言うのは真っ赤な嘘である。
実際は真逆である。
満足してやる気がなくなった。それも逆である。
僕の将棋は序盤で自分から良くしようとはしない。
知っている形に組み上げているだけ。
悪手をして来たら咎めて勝っているだけ。
将棋の本質は相手の悪手を咎めて勝っているだけなのだが、それは序盤を闘っている人の言える事である。
僕の序盤はスタイルだけで闘ってない。
僕は将棋の一番面白いのは序盤と思っている。
そして僕は序盤に伸び代がある。
一番面白い事に伸び代がある。
将来有望である。
そうなんだけど、苦手なんだよな。
で、この大会は自分は序盤が苦手だと再認識する事になり、実戦に力を入れなくなっていったのである。