コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

翻弄物創作講座

★僕の作品は翻弄物が占める割合が高い。
詰将棋全般の割合はどうかと言うと、翻弄物は解答者に人気のあるジャンルの割には作品数は少ない。
少ないのは創らないからか、創れないかと考えたら、僕は創り方を知らないからなんじゃないかと思うのである。
ほとんどの作家は知らない分けではないが、創り方のポイントは分かってないと思うので、ここで翻弄物創作講座をしてみたい。
考え方のポイントなので、初級者よりある程度創作経験のある中級者向き講座になる。

①回数は何回からか?
何回以上動かすと翻弄物と呼べるのか。僕は4回だと考えている。3回では翻弄物にはならない。
ただ動かしているたけだと。

②動かす理由を考えよ。
何故、その捨て駒をしなくてはならないか、その理由を積み重ねて行けば自然に翻弄物になる。

で、ここで考え方講座である。
翻弄物は何故面白いのか。
何回も動くからなのか。それもあるがそれが最大の理由だと思っている人は翻弄物は創れないのである。
面白い翻弄物はその捨て駒をする理由が面白いからなのである。
詰将棋は玉方玉は結局は詰まされる運命にある。
翻弄される駒は獅子奮迅や孤軍奮闘の活躍をしようが、所詮は役立たずでしかない。
……そうだろうか?玉方は死ぬのはゲーム上の事。
ただ死ぬのではなく、詰方の捨て駒は自分のポイントになると考えたらどうか。
捨て駒だけでなく、思考させる事もポイントになるのである。
翻弄物はその捨て駒を一つの駒で稼ぐ事になる。
これは玉方には爽快なのである。
翻弄物面白さは詰方が玉方の駒を翻弄していると見るのではなく、玉方の翻弄駒が詰方に捨て駒されるよう翻弄していると見る方が面白いのである。
玉方翻弄駒が詰方に捨て駒をされているように感じさすには、その捨て駒を必要とする理由が大事。
つまり翻弄物は回数より、何故捨てているかでより面白くなるのである。

③翻弄駒は最初から盤面に置け。
詰将棋作家は合駒を動かすのが好きだが、翻弄物では翻弄駒を合駒で出すのは良い手法とは言えない。
前項で翻弄するには、その捨て駒の理由が重要と書いたが、合駒で出そうとすると動く理由が単純化し易いのである。
つまり、翻弄物と合駒は手法として真逆のものが要求されるのである。
翻弄物は翻弄駒は合駒で出さなくても、最初から盤上にある方が生きる。
合駒させて動かすのが3回なら、それは翻弄ではないので、合駒で出すのを勧めるけど。

④邪魔駒消去はお勧め出来ない。
邪魔駒消去はその駒を捨てるのと、翻弄駒を元に戻す2回と、その前に1回元になる位置にする計3回動かす翻弄が入り易い。
これ後1回動かすだけで4回動く事になり翻弄になってしまう。
邪魔駒消去を入れた場合4回は簡単に動いちゃうんだよね。
この邪魔駒消去タイプの4回翻弄は味がないし、類似パターンになり易い。
だからお勧めしないのだが、このパターンは回数を稼げる。
凄く面白い作品になる可能性はあるが、邪魔駒消去パターンならせめて6回は動くようにして欲しい。

☆さて、この考え方が理解出来たなら誰でも翻弄物が創れるようになるだろう。
ただ、この記事を見て翻弄物を創りたくなる人がいるのかと思うのがある。
間違いなくこの記事を見て翻弄物を創ってみようと思う人はいないだろう。
でも誰にも翻弄物を創る気をなくさせて、翻弄物業界を僕が独占しようとこの記事を書いているのではないのである(笑)。