コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

作家武島広秋の分析

詰将棋作家武島広秋の分析】


★作家武島広秋を分析してみたいと思う。
まず、武島氏には形だけと言う作品はない。
ただ端正な配置で完全作になっていれば良いとは思ってないようで、手順はしっかりしていてこそ詰将棋と考えているようだ。
かと言って手順さえ良ければ、形などどうでも良いような作品もない。
バランス型かと言うと、そうではないだろう。
武島氏は常に最高の手順構成を最少の駒数で創る作家なのだ。
だから、僕は武島氏は現在作家の中で実力ナンバーワンだと思っているのである。
………と、これは勿論お世辞である(笑)。

☆その武島氏がブログで詰パラ5月号高校21の作品が、超会心作で代表作と思っていると書いてあった。
武島氏ほどの作家にそう言われれば嫌でも解かなくてはいけないと言うものだ。
そこで解いてみた。
勿論、嫌々である(笑)。
ちょっと苦戦した。
53角に25玉は45飛が詰むのが見えなかったからだ。
勿論53角には24玉を最初に読むのだが、以下36桂、14玉、25銀、同歩、45飛の変化がピタリとした良い変化なのだ。
34玉が最善手と分かって直ぐ狙いに気が付いた。
43飛成これを同玉で詰むように角は最遠打するのだと。
以下は詰将棋らしい捨て駒が続き、最後は遠打で打った角を捨てて収束する。
遠打する理由は、玉がその辺に逃げて行った時にそこでないと詰まないと言うもの。
このタイプの遠打はその辺に駒があっては意味がない。
もっと言えば、その遠打成立の駒を1枚も置かずに創りたいものだ。
その作者の思いが見事に成熟した作品で、超会心作と言うのは頷ける作品である。

★ただ、代表作となるかはどうなんだろう。
短編でと注釈を付けたとしても、少なく共これと同等な作品は沢山ある。
結論を言うと、普段から素晴らしい作品ばかり発表していると代表作と言える作品がなくなってしまい、良くないと言う事なのである(笑)。