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詰将棋作家のひとり言

詰将棋に関する事だけ書きます。

解答選手権勝手に解説⑩

解答選手権勝手に解説⑩相馬慎一作。

順番に行こうと思っていたけど⑩を先にする事にした。
大体分かったと思っているので、今の内に書かないと又、分からなくなってしまうからである。
さて解説を初めるが、当ブログでは細かい変化を記さない。
まずは原理を知る事が先決なので、原理解明を主にした解説にしたい。

☆まずは雰囲気で手順を進めてみよう。
25銀、15玉、11飛不成、25玉、21飛不成、35玉、52桂成、46玉、41飛不成、57玉、47飛成、66玉、93角不成で、この手順ははまっている分けだが、こうなると詰みだ。雰囲気で飛不成にした意味もない。
75歩合としても同角不成、55玉、56歩、65玉、67龍迄。75同角は成ってしまうと打歩詰になり詰まない。
ここ迄読むと分かる事がある。
飛角は両方成ると最後75歩合で詰まない。
どこかで出て来るであろう打診中合は歩に限る。

☆この形を覚えて欲しい。
57玉、47飛成、66玉、97角生で持駒歩1枚の形なら詰むと。
この局面だが二歩でなければ、84歩合と打診中合で詰まない。
対して84同角成だと75歩合。84角生だと76玉で詰まない。
ここでは84歩合が出来ないからそれを他のところでやる分けだが、それは35玉に32か52に桂を成った時に62歩合とすれば同じ事になる。
以前これと同じ可成地点から可成地点から移動さす合駒が打診中合となるか話題になったが、これは84歩合と同種の合駒で、打診中合と呼ぶならどちらも同じ打診中合である。
理由はこうである。84歩合は可成地点から非成地点に移動させる事を目的にした手である。
その効果は、非成地点に移動した場合成か不成をどちらか選択しなけばならず、それが狙いの手である。
62歩合はと言えば、これも非成地点に移動させるのが目的である。そして狙っている効果も全く同じである。
唯一の違いは84歩は直ぐ取られて効果を発揮する。
62歩合は後に指される手で効果を発揮する。
84歩合は直接打診合。62歩合は間接打診合と呼ばれているがこれは分り難い。
84歩合は即効打診合。62歩合は遅効打診合と呼ぶと分り易いだろう。
62歩合の可成地点から可成地点移動しているのは単なる現状の見えてる状況なだけで、62歩合はそれが目的ではなく、可成地点から非成地点に移動させるのを目的にした手。84歩合も62歩合も同じ種類の手なのである。
さて62歩合をされた次の展開だが、ここで不成を選択しても、次に84に行く時は成らなくてはならない。84角不成では76玉が全く詰まない。
62歩の遅効打診中合があるので、飛は成ってしまうと詰まない。だから不成、不成と行く。

桂成以降は62同角成、46玉、41飛不成、57玉、47飛不成、66玉、84馬で持駒歩2枚。
こうなれば詰む。と言うより作意がこうなるのである。
但し、ここ迄作者の罠がありそれが見抜けないと解けない作品なのである。
まず62同角成、46玉、41飛不成の時に44歩合がある。
成れば57玉で不詰。
不成なら36玉で逃れようと言うのだ。
これは見抜けるであろう。
44飛不成、36玉、37歩、25玉、52馬で詰む。
と言う事は角不成とか52桂成とするとこの変化が詰まない。
最初に記述した手順は52に桂を成ったが、この順で詰まないのだ。
よって桂は32に成らないと詰まない。
ここ迄読めたら凄い嫌な予感がして来る。
32に桂を成らないと詰まないなら、21飛不成の時に22歩合とされると飛が回れず詰まないではないか。
そう詰まないのである。
しかし、22歩合に対しては秘策がある。
同飛成、35玉で今度は52に桂を成るのだ。
62歩合で次に36歩。同玉は27龍で簡単。34玉も44と、同玉、62角成で簡単。この変化のために22飛不成は詰まないが不成にする理由はない。
以下46玉、42龍、57玉、47龍、93角不成で詰む。
最初覚えてもらった形だ。
これは22で1歩余分にもらい、22龍になったため詰むのである。

大方これで読み切ったようだが、ここからが作者の大トリックなのである。
42龍には36玉、45龍、26玉、62角成、16玉でここ迄はこの順しか詰まない。
この局面15歩を置いた局面と置かない局面を両方詰ませて欲しい。
答を言ってしまうと、15歩はないと詰むがあると詰まない。
手順は読者の要研究としよう。
15歩などないではないか。
あるのである。
初手25銀に対し同玉、21飛不成、22歩合、同飛成以下15歩が残ってしまう。
これが作者の設けたトリック。
変化の変化のための伏線であった。
この解除方法は簡単である。
初手より27銀打、15玉、26銀直、14玉、25銀で15歩を消去出来る。

【詰手順】27銀打、15玉、26銀直、14玉、25銀、15玉、11飛不成、25玉、21飛不成、35玉、32桂成、62歩合、同角成、46玉、41飛不成、57玉(57玉なら44歩合は無駄合)、47飛不成、66玉、84馬が正解。以下は要研究。

☆手順はなんでもないのだが、この作品の優れたとこは17が銀なのである。
もし、17歩ならこの手順は誰もが見える。
方や15歩が消え、方や消えない。こりゃ怪しいぞとなり感付かれてしまう。
17銀であるがために26銀直は同銀でパーに見える。よく読むと以下同銀、同玉に桂を成って詰むが、ちょっと詰むように見えない。
桂成以下の手順は当ブログでは要研究。
とにかく詰むのである。
それでも15歩が不自然なら、これ又怪しいとなるが、ないと11飛成で簡単な余詰である。
25銀、15玉、11飛不成は自然な導入なので怪しさを感じない。
そしてこの作品の凄いところは、トリックを成立させるための変な配置の駒が1枚もない。
それどころか変化のための駒も1枚もない。
僕はこの作品は傑作ではないと思う。
もはや神局と思うのである。