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詰将棋作家のひとり言

詰将棋に関する事だけ書きます。

短コンを斬る

☆短編コンクールの作品を斬ってみようと思う。
記事のタイトルがどっかのブログ名に似ている気もする人がいると思うが、それは多分気のせいである(笑)。
今回の短コンの前にTwitterやブログで中合を動かす作品が高得点を狙えるように書いてあった。
確かに中合を動かす作品は上位を狙えるのではあるが、僕は7手詰で中合を動かすテーマは創る側からは魅力ないと思っている。
なので中合を動かす作品を斬るのが、この記事のテーマである。

★僕が7手詰で中合を動かすのは面白いテーマではない理由である。
①初手がほぼ平凡手になる。
②初めから中合を動かすつもりで創ると、中合そのものがありふれた手になる。
③3手目も俗手になり易い。
④中合→玉を動かす→中合の利きところに捨駒をするのワンパターンになる。
⑤モデルメイトになり難い。

つまり初手→2手目→3手目→4手目→詰上がりと魅力がほとんどない。
だが良い評価になり易い。不思議である。

☆と言う事で実際に作品を斬ってみよう。
まず今回の短編コンクールは数えてみたら49作中10作であった。

4=上谷直希作。①②⑤がまともに当てはまる。
④は工夫がありフェアリー作家らしい面白い手順に思う人が多いだろう。
だが僕はそれほど面白いとは思わない。
何故なら僕にはフェアリーの才能がゼロだからである(笑)。

14=柳澤瑛作。
初手と3手目は捨駒ではないが、良い感じである。
詰上がりはモデルメイトではないが、これはモデルメイト的良さがある。
①②③⑤は不問として良い。
④は中合動かしのワンパターンである。

21=大崎壮太郎作。
①初手はこう指す手ではあるが捨駒なので不問。
②平凡な歩合なのだが、中合動かしでは歩合は一番創作が難しい。
中合を動かすのにその合駒しか利いていない事で合駒限定を出来ないからである。
歩合をする理由は取られて詰まないため。この下らない理由は中合動かしのテーマでは創作難易度が上がる事になるのである。
④は形の上では当てはまるのだが、その合駒でしかきいていないところに捨駒はしていないので、お決まりのパターンではないとする。
⑤は丸っきりモデルメイトではないが、飛の足を長く使っているので許せる詰上がりではある。

22=太刀岡作。
①④は当てはまる。
⑤一応準モデルメイト。
効率は悪くないのに、紛れに大駒3枚が働かないので非常に非効率的な配置に感じる作品である。
今回の記事に関係ないが、氏は駒効率面での創作技術が下手過ぎる。
逆に言えば、駒効率を考えて作図すれば急激に良い作品を創れるようになると言う事である。

27=海老原辰夫作。
①②③クリアで素晴らしい。
が、④⑤にしわ寄せ。
④もろワンパターン。
⑤モデルメイト教信者の僕にはヘドが出るくらいの醜い詰上がり。
この事は解答を出して短評に書いた。
勿論、ヘドが出るとは書いていないのである(笑)。

40=原田清実作。
④は当てはまらないが、5手詰中合動かしのワンパターンではある。
⑤は大問題。詰上がりで大駒が不用と化す。
僕ならこれは素材にすらあらずである。
多分5位くらいの評価を受けるだろうが。

43=山路大輔作。
①は当てはまってはいるが、凡手ではないだろう。
④は当てはまってはいないが、7手詰中合2回動かしではワンパターン。
⑤モデルメイト教では、初手に打った香が遊ぶのは良い事ではないが、大駒ではなく香なので許せる範囲である。
もっとも僕が作者なら許さないが。
まあ、この駒数で創ったのは称賛に値する。

44=①③④⑤が当てはまる。
②中合が打診を主張しているようだが、打診にはなってなく厳密にはこれも当てはまる。

48=野曽原直之作。
①はアヤがあり不問としよう。
③は俗手ではあるが他の手を読むだろうから不問。
④これは合駒を利かせたところに捨てるパターンではない。
初手に打った駒を利用して、合駒の利きを外す捨駒である。
今回の中合動かしのテーマでは、僕が認める唯一の中合動かしであるからこそ良い作品になっていると評価している作品である。
素晴らしい。

50=馬屋原剛作。
①初手は酷い俗手。だけど僕はこの手からは読まなかった。
③3手目5手目は焦点捨駒。
僕の上げた中合動かしのテーマは魅力ないと言う事が当てはまる作品なのによく出来た作品。
この下らないテーマを作者の腕がカバーしたと言えるだろう。