コロナバ禍詰将棋作家のひとり言

一時的に新型コロナウイルスの事はがり書きます。

詰将棋創作技術検定問題①解答

詰将棋創作技術検定3級問題の解答である。
この創作技術検定は1級~3級があり合格すれば
3級=詰パラに作品が採用される。
2級=詰パラ学校で首位が取れる。
1級=詰パラで半期賞を取れる。
の実力がある。を目安にしています。
合格には各々5題正解とします。
今回は3級第1回であるが、2回目があるとは限らないのである(笑)。

さて今回の図はスマホ詰パラNo.6563 NEZHA作を勝手に題材にさせて頂いた。
作者さんの作図歴が分からないのだが、創作歴が浅い方なら参考にはなると思っているので読んでもらえたら幸いである。

スマホ詰パラNo.6563 NEZHA作
持駒 桂
玉方 11玉、12香、23金
詰方 31角、32銀、34飛、41と以上。
〈作意〉22角成、同金、23桂、同金、21銀成、同玉、31飛成迄7手詰。

味の良い手順である。七色図式でもある。
が、この手順なら一旦、31角・32銀を打つ手を入れると更に味が良くなると、ある程度詰将棋を創る事に慣れて来ると浮かぶ。(だろうと思う)
手順にすると22玉の形から31角、21玉、32銀、11玉で発表図に合流になる。
だがそのままでは31角に11玉は22銀から詰ますしかないが、それだと21玉に32銀が作意だが、22銀で詰んでしまう。
さてこれをどうしたら可能になるか?
これがこの問題の主旨である。

一番簡単なのは持駒の銀を21銀(玉方)に置いて13桂か33桂に取らせれば良い。
余詰はあるが簡単に消せるはずである。
この技術は覚えても意味がないので、検定問題は作意駒取りなしを条件にした。

まず31角、11玉に22銀を詰まなくして21桂成、同玉を作意にする事が考えられる。(先の21銀を置いたのを持駒にした事になる)
それには22にもう1枚利かすとどうなるか?
44角でも置いてみよう。すると22角成に対して同角で詰まない。
ここに利かす駒は歩香桂しか不可能である。
これは玉位置を13にしてみよう。24玉の形で33角、13玉になる分けだ。そして24に利かす。
23歩では作意不可能。21香だと最後23銀成に同香が不詰。
なので12桂か32桂しかない。
結論としてこの方法は可能である。だが余り良い図は得られないはずである。
やたらと駒を置かないといけないからである。
これで答られた方も正解ではあるが、お勧めではない。

22銀を不詰にするには、同金、同角成、同玉を詰まなくする方法がある。
それには頭に入れておかなければならない事がある。作意22角成、同玉の変化である。
23銀成、同玉に33金、13玉、25桂か24金、22玉、31飛成迄の変化がある。
前者は変同だしこの筋を残して余詰筋を消すのは無理である。
ならば24金の変化になるため玉方に24に利きがあってはならない。これを頭に入れておかなくてはいけないのである。
31角、11玉、21桂成とするのだが、21桂成で22銀、同金、同角成、同玉、21桂成で同玉は31飛成。13玉は24金といずれも作意成立に必要な手で詰んでしまう。この方法は不可能と断定出来る。

そこで考えるのが横移動である。
32玉の形から41角、21玉に13桂とかで詰むようにするのである。
13桂で詰むようにした場合は、11玉か12玉で銀を使う形にする。41角、31玉、42銀、21玉に23桂で詰んでしまわないようにするためである。

★そこで、こちらが用意した解答例がこちら。
三輪勝昭作図
持駒 角銀桂
玉方 11香、12歩、25と、32歩、42玉、43金、64銀
詰方 14桂、55龍、63桂以上。

二人の解答があった。それがこちら。
tsumegaeru作図
持駒 角銀桂
玉方 11歩、22香、32玉、33金、54銀
詰方 14香、44飛、51金以上。

小林尚樹作図
持駒 角銀桂
玉方 21香、23歩、33玉、34金、61龍
詰方 14香、45飛、54桂以上。

お二人さんの解答は当方の解答例の改良版と言える。
そこでお二人さんには言っておかなくてはならない事がある。
こんな事をされては困るのである。何故なら当方の作図技術がない事がバレてしまうからである(笑)。

三輪勝昭作図とtsumegaeru作図は考え方は同じである。
三輪図を推敲するとtsumegaeru図になる分けである。
それと三輪図の64銀は不用駒である。

小林尚樹作図は工夫がある。13銀を打つ事により24に利きが出来、33角成、同玉、42飛成で詰むようにしているのだ。
これは優秀な案である。

小林図からこんな図が考えられる。
持駒 角銀桂
玉方 15と、22歩、32玉、33金
詰方 13香、45龍、53桂以上。

☆この中でどの図が一番良いかは皆さんにお任せするが、最少駒数は最後の図のようである。

さて創作技術検定問題は続けて行きたい企画である。
詰パラ入選を目指す方には若干難しいかと思うが、この記事内容が理解出来るようになれば、詰パラ入選が簡単になる記事である。
……となると良いなと思って書いているのである(笑)。