重要創作技術検定問題
写真の図は詰パラ2003・1月号谷川浩司作(月下推敲第23番)。
作意は21飛成、同玉、29香、11玉、21金、12玉、22金、13玉、23金、14玉、24金、同角、25金、23玉、24金、22玉、33歩成、11玉、22角、21玉、32と、同玉、33金、41玉、31角成、同玉、22香成、41玉、32成香、52玉、42成香迄31手詰。
★創作技術検定に重要としたのはその課題のように創る(出来なくても創ろうとする)事が大事な作品なので重要としたのである。
まず、僕は序2手は必要性がないと思う。
これは人それぞれの感性の違いでしかない。
なら終2手はどうか。
これ詰将棋作家ならほとんど省いて41玉、32成香迄としたいと考えるはずである。
これが出来るかどうかは重要なのである。
だから重要創作技術検定問題としたのである。
問題=持駒 金金香。
玉方 21玉、33角。
詰方 11銀、33歩(これは別の駒も可)。
に何枚か加えて谷川作の作意を41玉、32成香迄にする事。
加える枚数は谷川作と同じ4枚以下が目標(条件とはしないが)。
☆この4枚だけでは不詰だが根本的遠打の原理がこれだけで出来ているのは優秀である。
そして収束迄実にスムーズに出来ている。
それが最後の2手があるだけで収束の間延び感が半端ない。
理想は31角成、同玉、22香成迄である。
41玉をなくすと21玉には13角成。この余詰はどうしようもない。
それで41玉、32成香迄なら上出来のまとめである。
勿論谷川さんもそうしたかったはずである。
でも難しいのである。
仮に玉方52香を置いてみよう。
仮にでなくても51・52に逃げれない配置は必須。
すると初手22金、同角、同銀成、同玉、25香で詰んでしまう。
これを詰まなくするには53に逃げれるようにしないとダメ。それだと2手目31玉か32玉それから25桂合や23金合が詰まない。
初手22金を不詰にして変化を詰ますのは難問なのである。
一応、谷川氏は54歩・64香は29香合にする変化を詰ますための駒で、これが詰上りに必要駒になっているので良しとしたのかも知れない。
それなら打った29香は消したいと僕は思ってしまう。
★今回の検定問題は易しくはないので解答者全員に景品進呈(古詰将棋本)としたい。
収束作意変更も良い図なら可。
良い図なら2冊進呈としたい。
是非解答コメントをお願いしたい。
前回創作技術検定問題解答
★前記事の創作技術検定問題の解答である。
問題はスマホ詰パラNo.11776 nono_y作を作意の本質を変えず54銀と46香を省けである。
☆平井康雄氏よりコメントを頂いた。正解であった。
直ぐ思った事は「あー、正解者に景品進呈と書かなくて良かった。」である……これは冗談。
それくらいコメントがあったのは嬉かったと言う事なのである(笑)。
☆正解は簡単。4筋で取っている成銀・銀を5筋に移すだけである。
作意は22角と打っているが、これは2筋に打つように創る必要はないのである。
54銀がないなら12玉とされないよう31に打つ意外性は主張出来るが、54銀があるため12玉の不詰感はなくなっているのである。
つまり31角で取れば良いのである。
★この課題の解答はどうやると見つかるか?
それは問題のようにしなければならない重要性を理解する事である。
娯楽性が良い作品なので、作意手順だけの駒で創ってこそ生きる。
どうしても作意手順だけの駒で創るのが重要なんだと思えば簡単にこの図にたどり着く問題だったのである。
これは有利合
★同人室④鈴川優希作であるが、2手目15歩合でなく香合をしているから不利合のつもりなんだろうか?
これは盤上に残る駒であり、盤上に残るなら歩より香の方が有利。論理的には完全な有利合になっている。
☆課題としては歩香の重ね打ちで課題消化はされているが、不利打ち対抗の狙いは破綻しているのである。
スッキリしない限定合
★同人室の②北村憲一作たが、8手目金合だと最後51玉に52龍迄だと変同で合駒は非限定になる。
しかし、52龍でなく21龍迄なら駒余りで同手数駒余りなので規約的には限定されている。
☆僕もこの飛合は創った事があり、それは62桂を置いて限定させた。
何とも褒められない限定のさせ方だが、これは素材上の欠点である。
余り好き好んで使う素材じゃないのに使われている素材だと思う。
飛は移動合で創ればスッキリするが、その作品も何作かあるかと思う。
★北村作は飛合からは後始末なんで、北村氏らしからぬスッキリした収束にはなっているのである。